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今日は、上司が部下に対して、ついイラっとしてしまう身近な事例をあげながら、
「部下への怒りの感情をコントロールする方法」を紹介します。
●部下とより良い関係を築きたい
●職場でのストレスを軽減したい
と考えている方の一助になれば幸いです。
部下への怒りの感情をコントロールする上で、大切なこと
皆さんは、部下に対して、どんな時に腹が立ちますか。
一般的に下記のような状況のときに、人は怒りの感情を抱くとされています。
●相手が、自分の期待や理想通りに行動をしてくれないとき
●相手が、自分とは違う価値観や考え方を持っていて、お互いに理解し合えないとき
では、怒りの感情をコントロールしながら、
部下と上手くやっていくには、どうしたらいいのでしょうか。
皆さんも一緒に考えてみましょう。
【A】部下の性格や価値観、行動を変える。
【B】上司である自分が、部下への接し方を変える。
答えは、【B】です。
部下の性格や価値観、行動を変えるのには、時間と根気が必要です。
しかし、上司である皆さんが
●物事の捉え方を変える
●日々の言動をちょっと工夫する
だけで、部下に対してイライラする頻度を減らしていくことができます。
つまり、「相手を変えるのではなく、自分が変わること」が、
怒りの感情をコントロールする上での1番の近道です。
では、事例を使って詳しく見ていきましょう。
事例1:言い訳が多い部下
部下を叱った際に、部下が言い訳をすると、
●どうして「すみません」の一言が言えないんだ
●どうして自分の非を素直に認められないんだ
と感じ、余計に怒りの感情が込み上げてきたという経験はありませんか。
では、なぜ部下は叱られているにも関わらず、言い訳をしてしまうのでしょうか。
その原因について、考えてみましょう。
【A】上司の訊き方に原因がある
【B】部下が反省していないことに原因がある
答えは、【A】です。
部下が言い訳をしてしまうのには、上司の訊き方に原因があります。
皆さんは、部下を叱るときに、こんな訊き方をしていませんか。
●なんで、もっと早く相談をしないんだ!
●なんで、こんな簡単なこともできないんだ!
●なんで、事前に確認をしないんだ!
このように、「なんで」という言葉を使うと、部下は責められていると感じ、
言い訳をしてしまいます。
では、「なんで」という言葉を使わずに、部下を叱るには、
どのような訊き方をしたらいいのでしょうか。一例を紹介します。
<叱り方の一例>
●これまでの経緯や、いきさつを教えてくれる?
→感情的にならずに、まずは冷静に事実確認を行うことが大切です。
●事前に相談をしなかったのには、何か理由があるの?
→「なんで」ではなく、「何か理由があるの?」といった訊き方をした方が、相手は抵抗感を感じなくなります。
●今回の件は、何が出来ていれば未然に防げていたと思う?
→ミスをした原因はどこにあるのかを、部下自身に考えさせます。
●今後同じことを繰り返さないためには、どうしたらいいと思う?
→未来に向けた話をします。
上記の叱り方のポイントは、2つです。
(1)「ミス」や「失敗」など、部下が抵抗感を感じる言葉は使わない。
「今回の件」、「今回の出来事」といった言い方をするようにしましょう。
(2)「なんで」を多用してしまう人は、
●何か理由があるの?
●どうしたら
の2つを意識して使うようにしましょう。
「何か理由があるの?」は、部下が自分の期待や理想通りに行動しなかった時に使えます。
例:~の行動をとったのには、何か理由があるの?
相手がなぜそのような行動をとったのか、相手の意図や目的を把握することができます。
「どうしたら」は、今後の改善点を部下に気づかせたいときに使えます。
例:今後同じようなことが起こらないようにするためには、どうしたらいいと思う?
言い訳が多い部下には、質問の仕方を変えるだけで、
部下に対してイライラしなくなります。ぜひ実践してみてください。
また、質問の仕方を変えても、それでも言い訳をしてくる部下には、
下記を実践してみましょう。
それは、「部下の言い訳に、敢えて耳を傾ける」という作戦です。
部下が言い訳をしたら、責めるのではなく、
部下の言葉を受け止めて、復唱するようにしましょう。
こんな風に復唱をしていきます。
●じゃあ君でははく、取引先のA社に問題があるんだな。
●B社の担当者もひどいな。君の説明を全然聴いていないではないか。
●なるほど、取引先のC社が日程を勘違いしていたんだな。
上司が、上記のような態度をとると、部下は拍子抜けします。
また、
●上司は全てお見通しで、敢えてこのような態度をとっているのではないか
●自分を試しているのではないか
といった心理が働き、部下の方から
「自分も、~が至らなかった」と自分の非を認めるようになります。
つまり、これはどういうことかというと、
「自分の主張や考えを受け入れてもらえると、意地を張らずに素直になれる」といった人間の行動特性が影響しています。
言い訳が多い部下には、上司である皆さんが普段とらないような行動をとってみるのも一つです。ぜひ参考にしてみてください。
※部下への叱り方について、更に詳しく知りたい方は、こちら。
事例2:何度言っても、同じミスを繰り返す部下
部下が何度も同じミスを繰り返すと
●何度いったら分かるんだ
●こんな簡単なこともできないで
と感じ、つい腹が立ってしまった経験はありませんか。
では、そんな部下に対して怒りの感情をコントロールするには、どうしたらいいのでしょうか。
皆さんも一緒に考えてみましょう。
【A】その仕事を頼まない
【B】指示の仕方を変える
【C】部下が上手くできたら、大げさなくらいに褒める
答えは、【B】と【C】です。
<【B】についての説明>
部下のミスは、上司が「指示の仕方」を変えることで、未然に防ぐことができます。
指示を出すときには、下記5つの項目について、説明をするようにしましょう。
①仕事の全体像
②仕事の目的
③具体的な行動
④仕事の完成基準
⑤部下がその仕事をやることで、得られるメリット
また、指示を出す際には、「何か分からない事はある?」と
最後に確認をいれるようにしましょう。
それでもミスを繰り返す部下には、
指示を出した際に、部下が書き留めたメモをチェックするようにしましょう。
部下のメモを見れば
●仕事の大事なポイントをメモできているか
●書き留めた情報に洩れがないか
をその場で確認することができます。
部下への指示の仕方を更に詳しく知りたい方は、こちら。
<【C】についての説明>
ミスが多い部下には、褒めて自信を付けさせることも重要です。
部下の仕事に少しでも改善が見られたら、大げさなくらいに褒めるようにしましょう。
人は、自分を認めてくれる相手の期待には、精一杯応えようとするものです。
人を変えるには、「責めること」よりも、「褒めること」の方が効果があります。
責めても部下のミスが改善されないという方は、「褒める」ことを取り入れてみましょう。
事例3:「がんばります!」と言いながら、進歩がない部下
「がんばります!」と言いながら、進歩がない部下に対して、
●口先だけで、本当にやる気はあるのか
●本当に変わる気はあるのか
と感じ、ついイラっとしてしまった経験はありませんか。
ではなぜ、部下は「がんばります!」と言いながら進歩がないのか。
その原因を考えてみましょう。
【A】「こうなって欲しい」という上司の期待や理想が、
部下に100%伝わっていないから
【B】部下にやる気がないから
答えは、【A】です。
「がんばります!」と言いながら、進歩がない部下に対しては、
「こうなって欲しい」という上司の期待や理想を、分かりやすくかみ砕いて伝えてあげる必要があります。
例えば、「部下のお客様に対する言葉遣いを正したい」と考えている場合、
どちらが「こうなって欲しい」という上司の期待や理想を具体的に伝えることができていますか。
【A】君は、言葉使いが全く出来ていないな。もっとお客様に対して、丁寧な言葉遣いはできないのかね。
【B】お客様に何かをお願いをする時には、「クッション言葉+依頼形」を使うようにしましょう。「ご記入をお願いします」と言うよりも、「恐れ入りますが、ご記入をお願いできますでしょうか」と言った方が、より丁寧だろう。
答えは、【B】です。
【B】は、部下に「どこを改善して欲しいのか」が具体的です。
それに対して【A】は、部下に改善して欲しいことが漠然としています。
「どうなって欲しい」のかを具体的に分かりやすく伝えることで、
部下に対して、腹を立てる機会も減っていきます。ぜひ実践してみてください。
事例4:考え方・価値観の違う部下
自分とは考え方や価値観の違う部下を相手にすると
●なんでこんな行動をとるんだ
●普通は、こうするべきだろう
と感じ、つい腹立たしくなってしまった経験はありませんか。
人は、一般的に
●好きな人に対しては、「自分と同じ所」を探す
●嫌いな人に対しては、「自分と違う所」を探す
傾向があります。
考え方や価値観が異なる部下に対しては、
あえて自分と同じところを探すようにしましょう。
人は、自分との共通点が見つかると、
その人のことを好意的に見られるようになるものです。
共通点と言っても、些細なことで構いません。
例えば、
●お互い、メールの返信が早い
●お互い、奇麗好き
●お互い、朝余裕を持って出勤をする
など、日常のちょっとしたことの中から、自分との共通点を見つけていくようにしましょう。
そうすることで、ちょっとずつですが、親近感がわいていきます。
また、価値観の違う部下に対して、イライラしなくなる他のやり方が2つあります。
よかったら参考にしてください。
(1)部下への捉え方を変える
価値観の違う部下とは、「自分が知らない価値観」を教えてくれる存在でもあります。
価値観が違う部下は「扱いにくい」、「自分とは合わない」と思うのではなく、
自分に「新たな物の見方」や「刺激を与えてくれる存在だ」と捉えれば、
いちいち価値観の違いに腹を立てることもなくなります。
(2)最初に笑顔を浮かべる
自分とは価値観が違う部下と接する際は、
まず初めに「笑顔」を浮かべるようにしましょう。
自分とは合わない・扱いにくい部下だと感じていると、
ついついそれが表情に出てしまっているものです。
せめて最初だけでも「笑顔で接する」と、
部下も「上司の態度が最近変わってきたな」と感じ、
お互いに有効な関係を築きやすくなります。
以上、上司が部下に対して、ついイラっとしてしまう身近な事例をあげながら、
「部下への怒りの感情をコントロールする方法」を紹介しました。
部下への怒りの感情は、部下への接し方や物事の捉え方を変えるだけで、
軽減することができます。
どれか一つでも実践していただけると嬉しいです。
職場での怒りの感情を鎮める3つの方法
では最後に、職場での怒りの感情を鎮める3つの方法を紹介します。
これは、部下だけではなく、どんな相手に対しても使うことができます。
よかったら参考にしてください。
(1)タイムアウト
怒っている時には、つい感情的になって、きつい言い方をしたり、言わなくてもいい事まで言ってしまうものです。
そんなときには、タイムアウト(一時中断)の時間をとるようにしましょう。
相手に対して、感情的になっていると感じたら
●その件については、また30分後に話そう
●その件については、後日じっくり話そう
と時間をおいてから、話し合うようにしましょう。
時間をおくことで、気持ちが落ち着いたり、冷静になることができます。
(2)24時間アクトカーム
アクトとは、日本語に訳すと「振る舞う」です。
カームには、「穏やかに」という意味があります。
つまり、24時間アクトカームとは
「自分の言葉遣いや、所作を24時間穏やかに振る舞う」ことをいいます。
自分は、
●いつもイライラしている
●いつも時間に追われて、慌ただしくしている
●ため息や不満を口にすることが多い
という人は、24時間アクトカームを実践してみることで、気持ちを落ち着かせることができると共に、あなたを見る周囲の目も変わっていきます。
(3)10カウント
怒りの感情が込み上げてきたら、心のなかで「1、2、3、4、5、6、7、8,9、10」と10カウント数をかぞえるようにしましょう。
衝撃的な怒りも、10秒もあればクールダウンします。
ついカッとなって暴言を吐いてしまう人は、10カウント間をあけてから話すようにしましょう。
まとめ
怒りの感情が込み上げてきた時の、自分の瞬時の対処法を身に付けておくと、
人との対立や、人と衝突する機会が減っていきます。
部下への接し方に合わせて、
自分の怒りの感情を鎮める方法も持ち合わせていただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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