職場でパワハラが起こる4つの原因と22の対処法

(本ページは、プロモーションが含まれています)

 

今日のブログでは、「職場でパワハラが起こる4つの原因と22の対処法」について、

紹介していきます。

 

職場内でいじめや、パワハラが起こっている

職場の雰囲気が、ギスギスしている

人間関係に不満を感じ、退職をする従業員が相次いでいる

そんなお悩みをもった方の一助になれば幸いです。

 

パワハラが発生する職場の特徴ベスト5

厚生労働省の調査(平成28年)によると、

「パワハラが発生する職場の特徴」として、下記が挙げられます。

 

■【パワハラが発生する職場の特徴ベスト5】

第1位:上司と部下のコミュニケーションが少ない職場 45.8%

第2位:失敗が許されない/失敗への許容範囲が低い職場 22.0%

第3位:残業が多い/休みが取りづらい職場 21.0%

第4位:正社員や正社員以外(パート、派遣社員など)様々な立場の従業員が、

一緒に働いている職場 19.5%

第5位:従業員数が少ない職場 13.1%

 

では、皆さんに質問です。

 

社内での「パワハラを無くす」「パワハラを防止する」ために、

真っ先に取り組むべきミッションは、次の内どちらでしょうか。

 

【A】パワハラを無くすために、新しい施策・制度を導入する。

【B】パワハラの原因になっている職場の問題点を改善する。

 

 

 

 

 

【答え】

「パワハラを無くす・防止する」為に真っ先に取り組むべきミッションは、【B】です。

 

パワハラの原因になっている職場の問題点を改善する=パワハラ防止」に繋がります。

 

「パワハラを引き起こす職場の問題点」を改善する所から始めた方が、

新しい施策・制度の効果が、より期待できます。

 

 

では次章より、「パワハラが発生する職場の特徴ベスト5(厚生労働省 調べ)」を

一つひとつ紐解いていき、「どのように職場環境を改善したらいいのか」を解説していきます。

 

第1位:上司と部下のコミュニケーションが少ない職場 45.8%

職場でのコミュニケーションが不足している要因として、下記の3つが考えられます。

【職場でのコミュニケーションが不足している3つの要因】

(1)インターネット、電子メールの普及

インターネットと電子メールの普及は、職場に大きな変化をもたらしました。

 

1人1台ずつパソコンが支給され、報告や連絡はもとより、

会議も直接顔を合わせることなく、インターネットを介して行うのが

当たり前になりました。

 

対面でのやり取りが少なくなり、職場の人間関係が希薄になってきています。

 

(2)一方通行のコミュニケーション

業務に追われていると、簡潔なコミュニケーションになりがちです。

 

例えば、部下に指示を出すときも「〇〇をやっておいて」で終わり。

 

「仕事の目的」を伝える

部下が理解したかの確認さえ 割愛しています。

 

このようなやり取りを、一方通行のコミュニケーションと言います。

 

コミュニケーションで重要なのは、

「双方向のやりとり=言葉のキャッチボール」です。

 

上記の例では、上司が一方的に指示をして終わってしまっています。

 

一方通行のコミュニケーションでは、相互理解や信頼関係は生まれません。

ギスギスした職場環境になってしまう恐れがあります。

 

(3)管理職の余裕の無さ、マネジメント能力の欠如

「教育制度」が充実していない、「人手が足りない」等が原因で

部下育成やマネジメントスキルについて学んでいない

経験が乏しい人が

管理職についているケースも、少なくありません。

 

そんな状態にも関わらず、会社からは「成果を上げること」を要求されます。

これでは、管理職が仕事に追われ、心に余裕が無くなるのも当然です。

 

余裕が無い時ほど、一方通行のコミュニケーションになりがちです。

 

また、「心に余裕の無い上司」と「部下」との間には、

誤解や衝突が、生まれやすくなります。

 

 

では、コミュニケーション不足を解消するために、「上司」「部下」の立場で、

「どんな事に心がけたら」いいのでしょうか。

 

【上司】

(1)指導や注意が、「部下の人格」を否定していないか気をつける

部下を叱る、注意をする目的は、「部下の問題行動の改善」です。

部下の人格を否定しても、「問題行動の改善」には繋がらないので、やめましょう!

 

ではどんな発言が、人格否定にあたるのでしょうか。

 

【4つの部下否定】

 

<1.存在の否定>

だからお前は、ダメなんだ

お前は、そんなこともできないのか

君には、がっかりだ

君のことは、信用できない

 

上記は、部下の存在を否定する言葉です。

「部下=ダメ」というマイナスのレッテルを貼るのではなく、

「行動をどう正せばいいのか」を具体的に伝えることが大切です。

 

 

<2.能力の否定>

新入社員でもできる仕事なのに、こんなこともできないのか

お前は、いつになったら仕事を覚えるんだ

難しい仕事なんて頼んでいないのに、いつになったら終わるんだ!

 

上記の言い方は、遠回しに「部下の能力」を否定しています。

これでは、部下は自信を無くし、一向にできるようになりません。

 

できないのには、理由があります。

出来るようになるためには、どんな説明をしたらいいのか

部下に、どんな経験を積ませたらいいのか

を考え、指導していく必要があります。

 

 

<3.可能性の否定>

この仕事に向いていないんじゃないか

そんな考え方じゃあ、うちの会社ではやっていけないぞ

うちの会社で通用すると思ってるのか

 

上記の言い方は、

「部下がいまの会社で、活躍する見込みがない」と言っているのと同じです。

 

「向いていない」「通用しない」といった漠然とした言い方ではなく、

組織として、部下に何を期待しているのか

いつまでに、何ができるようになって欲しいのか

を具体的に伝えていく必要があります。

 

 

<4.バックグラウンドの否定>

お前は、大学で何を勉強してきたんだ

どういう育ち方をしたら、そうなるんだ

親の顔を見てみたいもんだよ

だからゆとり世代は、だめなんだよ

 

学歴、家庭環境などの部下の生い立ちを否定することは、

部下のこれまでの人生

部下の家族

部下の恩師

を否定することになります。

 

部下を価値ある一人の人間として受け止め、

部下の「今(現在)」「将来」に目を向けることが大切です。

 

《部下を注意・叱る際のポイント》

①部下の人格ではなく、とった行動に注目する

「どうして欲しいか」を行動レベルに落とし込んで、具体的に伝える

そうして欲しい」理由を添えるようにしましょう。

 

(2)仕事の指示をする際は、「目的」まで伝え、疑問点がないか部下に「質問」する

「仕事の指示をだす」際には、下記の6Stepを意識して、部下とコミュニケーションをとりましょう。

1.仕事の全体像

2.目的

3.具体的な行動

4.期待水準

5.部下の得られるメリット

6.疑問点の確認

 

《指示出しの6Step 一例 》

田中さん。今ちょっといいかな。

来週の全体会議で、サービスの改善提案について議論することになったんだ。(仕事の全体像

 

そこで、お客様からどんなクレームやご意見がでているかを把握するために(目的)、

直近1年間のお客様アンケートを集計してくれないか。アンケートの集計項目としては、「お客様からのご意見・クレーム欄」に特化して頼むよ。(具体的な行動

 

あと、集計結果はA4用紙1枚にまとめて、お客様からのご意見とクレームを「ランキング形式」で上位10位までまとめて欲しいんだ。明日の12時迄にお願いしたいんだけど、大丈夫?(期待水準

 

急ぎの仕事で悪いけど、田中さんにとってもお客様の声を知るいい機会になると思うんだ。(部下の得られるメリット

 

説明は以上だけど、ここまでの説明で何か分からない点はある?大丈夫?(疑問点の確認

 

 

 

「忙しくて、こんな丁寧に部下に説明している暇は無いよ!!」と

思った方も、いるのではないでしょうか。

 

コミュニケーションは、手間を惜しんではいけません。

相手が正しく理解して、はじめて伝えたことになります。

 

それに最初の指示出しをしっかりとやっておけば、

「仕事の手戻り」や「部下が間違った方向で仕事を進める」のを

未然に防ぐことができます。

 

(3)ほうれんそう(報告・連絡・相談)のタイミングを部下に伝える

「部下が、上司とコミュニケーションを取りやすい環境」を作ってあげることも大切です。

 

□□の工程が終わったら、報告に来て下さい

今日は14時~16時までデスクにいるので、報告や相談がある方は、その時間帯に来て下さい

など、「報・連・相のタイミング」を具体的に部下に伝えてあげるといいでしょう。

 

【部下】

(1)アサーティブなコミュニケーションを身に付ける

仕事の進め方に、疑問や戸惑いを感じたら、

質問したり、自分の考えを上司に伝えるようにしましょう。

 

自分の意見を伝える上で、アサーティブなコミュニケーション(アサーション)を

身に付けることが大切です。

 

《アサーションとは》

自分も相手も一方的に自分の意見を押し付けたり、我慢するのではなく、

お互いを尊重しながら、自分の感情や考えを表現すること。

 

では、皆さんに質問です。

《例題》

あなたはいま、手一杯の状態です。

そんな中、上司から新たに大量の仕事を頼まれました。

 

次のうち、相手(=上司)を尊重しながら、

自分の気持ち・考えを伝えらえているのは、どれでしょうか。

 

【A】他の急ぎの仕事があって時間がないのですが・・・、どうにかやってみます。

 

【B】冗談じゃないですよ!!

なんで私ばっかり無茶ぶりされなきゃいけないんですか!!

ただでさえ仕事量が多いのに、別のことをやるなんて無理です!!

誰か他の手があいている人に、頼んでください!!

 

【C】申し訳ございません。

他の急ぎの仕事を抱えていて、どうしても時間を割くことができません。

誰か他の方に、お願いできないでしょうか。

 

 

 

 

相手を尊重しながら、自分の気持ちや考えを伝えられているのは、【C】です。

アサーティブなコミュニケーションが出来ています。

 

【C】のように、相手の要求を断る時には、

下記の3つのポイントを意識すると良いでしょう。

 

相手の要求を断る時のポイント》

①冒頭に「申し訳ございません」などのクッション言葉を添える

自分の気持ちや状況を伝える (例:急ぎの仕事を抱えていて、時間を割けません)

問形にて、「譲歩案」を提案する(例:〇〇ならできますが、いかがですか)

 

 

上司も部下もコミュニケーションで心がける事は、2つです。

上司・部下に共通すること

(1)「双方向」のコミュニケーションを心がける

「一方的に話す」のをやめましょう。

 

相手が理解しているか、「質問」をしましょう。

「疑問形」で自分の考えを伝えると、相手を尊重した言い方になります。

(例)私は、〇〇と考えているのですが、いかがでしょうか。

 

言葉のキャッチボールを意識しましょう。

 

(2)お互いの話をよく聴く

話を聴くことで

相手の置かれている状況、立場

相手の抱えている仕事

相手の大切にしている価値観

相手の気持ち

を理解できます。

 

カウンセリングの世界では、相談者とカウンセラーが話す割合は、

「8:2=相談者:カウンセラー」が理想とされています。

 

つまり、自分の話を8割聴いて貰ってはじめて、

「じっくり話を聴いて貰えた・寄り添って貰えた」と思うのです。

 

皆さんは、どれくらいの割合で、相手の話を聴いていますか。

 

話をよく聴いてくれる相手には、

親しみや心地よさを感じ、コミュニケーションが取りやすくなります。

 

聴き上手になりましょう。

 

 

第2位:失敗が許されない/失敗への許容範囲が低い職場 22.0%

「失敗が許されない/失敗への許容範囲が低い職場」になっている要因として、

下記の2つが考えらえます。

 

【失敗が許されない/失敗への許容範囲が低い職場になっている2つの要因】

(1)成果主義賃金制度の導入~労働者同士がライバル関係に!~

【成果主義賃金制度とは】

賃金を「仕事の成果」に基づき、決定する制度です。

 

成果主義賃金制度が導入される前は、

「実績」に対してインセンティブが支払われる事がありました。

 

人によって、支払われるインセンティブの額は違いますが、

元々の賃金が下がる事はありませんでした。

 

しかし、成果主義賃金制度の場合は、評価に基づいて年ごとに賃金を設定するので、

「賃金が下がる」ことがあります。

 

また、成果主義賃金制度は、賃金コストのパイが決まっているため、

誰かの賃金が下がらないと、自分の賃金が上がらないという仕組みになっています。

 

そのため、労働者同士がライバル関係になるため、

先輩が、後輩に仕事を教えない

仲間同士で足の引っ張り合いをする

といった状況が起こる場合があります。

 

(2)目標管理制度

【目標管理制度とは】

上司と部下が面談をして、合意の上で「目標」を設定し、

「達成度」の評価で、成果を測るというものです。

 

一般的に評価基準には、「業績評価」と、

積極性、意欲、協調性、コミュニケーション能力などの「行動評価」があり、

総合的に評価されます。

 

そのため、辞めさせたい労働者や気に入らない労働者に対して、

わざと「業績目標」を高くし、達成できなかったことを理由に

「退職奨励」をするケースもあります。

 

つまり、評価制度を利用したいじめ、パワハラが起こる可能性があります。

 

 

では、「失敗が許されない/失敗への許容範囲が低い」職場環境を

改善するにはどうしたらいいのでしょうか。

 

対策として、下記の3つを実践していきましょう。

 

【対策】

(1)成果達成までの「プロセス」や「チームへの貢献度」も評価する

「行動評価」に

成果達成までのプロセス

チームへの貢献度

部下・後輩の育成

といった項目を入れ、仲間意識を高める工夫をすると良いでしょう。

 

(2)ミスを報告しやすい雰囲気をつくる

皆さんに質問です。

部下がミスを報告してきた時に、

上司は、第一声にどんな言葉をかけると良いでしょうか。

 

【A】なぜもっと早く報告しないんだ!!

【B】君は一体なにをやってるんだ!!

【C】よく報告してくれた。ありがとう

 

 

 

 

 

部下がミスを報告してくれた時には、

【C】のように、まず「ねぎらいの言葉」をかけましょう。

 

部下にとって、ミスを報告することは勇気のいる行動です。

 

部下は、「上司に叱られるのではないか・責められるのではないか・・・」といった

不安な気持ちを抱えています。

 

そんな部下の気持ちを受け止め、

まずは「言いづらいことを報告してくれて、ありがとう」という

ねぎらいの言葉をかけましょう。

 

【A・B】のように、最初から頭ごなしに怒っても、

部下は萎縮してしまい、余計に話しづらくなるだけです。

 

また、ミスを報告しても、

「罵声を浴びせられる・厳しく叱られるだけだ」という刷り込みができると、

それ以降、部下はミスを報告することをためらうようになります。

 

最悪の場合、「どうせ叱られるくらいなら黙っておこう・・・」という心理が働き、

ミスを隠したり、ぎりぎりまで上司に報告をしなくなる恐れがあります。

 

そうならなない為にも、勇気をだしてミスを報告してくれた部下に、

「報告してくれてありがとう!!」この一言を伝えるようにしましょう。

 

(3)ミスをした人ではなく、起きた事柄に焦点をあてる

下記の叱り方のうち、ミスをした相手を責めずに、起きた事柄に焦点を当てているのは、

どちらでしょうか。

 

【A】なんでそんな単純なミスをしたんだ!

【B】どうしたら今後ミスを防げるのか、一緒に考えていこう。

 

 

 

 

答えは、もちろん【B】です。

 

【A】は、ミスをした人を責めています。

 

その一方【B】は、「ミスをしない為に今後どうしたらいいか」という

解決策(事柄)に焦点を当てています。

 

【A】の言い方をされた部下は、反省はするでしょうが、

自分の何が悪かったのか

今後どうしたらいいのか

が分からずに、終わってしまいます。

 

叱るときには、「人」よりも「事柄」に焦点をあてましょう。

 

また、起こってしまった「過去」よりも、「未来」に焦点を当てて、

「二度と同じミスを繰り返さない」為にはどうしたらいいか、という事について、

上司と部下で話し合うことが大切です。

 

第3位:残業が多い/休みが取りづらい職場 21.0%

「残業が多い/休みが取りづらい職場」の要因として、

「人員削減(人手不足)」が考えらえます。

 

これは、パワハラが発生する職場の特徴「第5位の従業員数が少ない職場 13.1%」

とも共通しています。

 

【残業が多い/休みが取りづらい職場の要因】

(1)人員削減(人手不足)

仕事量は変わらないのに部署の人員が削減されると、

当然ながら一人当たりの業務量が増え、

過重労働・長時間労働が職場に蔓延します。

 

その結果

チームで事をカバーし合う余裕が無くなる

会社や上司への不満が増える

職場での人間関係がギスギスする

忙しく、心に余裕が無いので口調が乱暴になる

些細なことでも行き違いが生じ、お互いの不信感がつのる

といったマイナスの現象が、起こりやすくなります。

 

では、「残業が多い/休みが取りづらい」職場環境を改善するには、

どうしたらいいのでしょうか。

 

【対策】

(1)業務プロセスの見直し(仕事の簡略化・効率化を図る)

「会社全体」、あるいは「部門」、「従業員」単位で

業務の標準化(マニュアル化)

不要業務・重複業務の削減

業務の簡素化

業務の見える化

をおこない仕事の簡略化・効率化を図ると良いでしょう。

 

会社によっては、

経営者がリーダーシップを取って実行する

推進担当者を配置する

ケースもあります。

 

(2)ITテクノロジーの導入(IT導入補助金も有り)

「作業の効率化」や「残業の是正」を図るために、ITツールの導入を行うのも一つです。

 

現在、経済産業省では、下記のITツールを導入した企業に対して、

「IT導入補助金(ITツール導入費用の一部、または全額負担)」を実施しています。

 

日々の経理を効率化する会計ソフト

顧客情報等を一元管理するクラウドシステム

職員間のコミュニケーションシステム

飲食店のセルフオーダーシステム

 

補助金ですので、申請しても必ず交付を受けられるとは限りませんが、

2019年度には、最高で450万円の支給が行われました。

 

ITツールを導入する上で問題になるのは、コストです。

「IT導入補助金」を上手に活用してみては、いかがでしょうか。

 

IT導入補助金のサイト

 

(3)アウトソースを利用する

「人手不足のため、自社のリソース(資源)だけで、全ての業務を行うのは難しい」

そんな時には、アウトソースがお薦めです。

 

アウトソースを利用することで、自社のリソースにはない知識や技術を持った人材に、

必要な時に、必要な分だけ業務を外注することができます。

 

アウトソース先としては、主に次の2つがあります。

代行サービス企業

フリーランス・個人事業主

 

フリーランスや個人事業主の場合、

企業ごとにサービスをカスタマイズしてくれるだけではなく、

企業に依頼するよりも、低価格で引き受けてくれる場合もあるので、お薦めです。

 

 

第4位:正社員や正社員以外(パート、派遣社員など)様々な立場の従業員が、一緒に働いている職場 19.5%

正規雇用、非正規雇用など、様々な立場の従業員が一緒に働いていると、

なぜパワハラが起こりやすいのでしょうか。

 

要因としては、下記が考えられます。

 

【雇用形態の多様化でパワハラが起こる要因】

(1)弱い立場の人をストレスのはけ口にする

短期間で成果をだすことを求められる

競争を強いられる職場だと、

労働者は、ストレスが溜まります。

 

そのストレスの矛先を、

弱い立場にいる非正規社員(アルバイト、パート、派遣社員、契約社員など)に

向ける場合があります。

 

非正規労働者は、仕事を失うのが怖くて、

声をあげにくい

反論しにくい状況にあり、

その弱みにつけこんで、正規労働者が非正規労働者にパワハラをおこなう場合があります。

 

 

「正規労働者から非正規労働者」へのパワハラを無くすには、どうしたらいいのでしょうか。

 

【対策】

(1)「正規労働者」と「非正規労働者」の待遇格差を無くす

同一労働同一賃金を定めた「働き方改革関連法案」が成立し、

2020年4月から施行されました。(中小企業への適用は2021年4月から施行)

 

【同一労働同一賃金とは】

正規雇用労働者と、非正規雇用労働者との間に生じる

「不合理な待遇差」の解消を目指すものです。

 

正社員との間で発生する「不合理な待遇差」には、

基本給

昇給

ボーナス(賞与)

各種手当などの賃金

教育訓練

福利厚生

キャリア形成

などが該当します。

 

同じ仕事であれば、正規・非正規問わず、

「同一の待遇」でなければならないという考え方です。

 

【同一労働同一賃金の対象】

対象者:有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者などの非正規雇用労働者

 

 

非正規雇用労働者は、労働者全体の4割を占めています。

 

正規・非正規社員の「待遇差」を無くすことは、

雇用形態に関わらず、全ての労働者がイキイキと働くために重要な施策です。

 

 

会社が取り組むべきパワハラ防止策

パワハラを予防するために、会社が取り組むべき内容を7つ紹介します。

 

全てを一気におこなうのは大変ですが、

優先順位を決めて、できる事から順に取り組んでいくことが大切です。

 

(1)パワハラが起きる要因を取り除く

「パワハラは、個人間で起きるもの」と考えがちですが、

その背景には、「会社が抱えている問題」や「職場環境」、「働き方の問題」などが、

大きく影響しています。

 

これまでの内容を参考に、

パワハラが起こる要因となっている「職場の問題点」を

一つひとつ改善していくことが大切です。

 

(2)トップのメッセージ

パワハラは、人権侵害である

パワハラを絶対に許さない

というトップのメッセージを打ち出すことが重要です。

 

トップが、方針を明確にすることで、

労働者が、安心して働くことができる

パワハラの訴えがしやすい

パワハラ防止策を打ち出しやすい

会社の本気度が伝わる

といった効果があります。

 

(3)ルールを決める

就業規則に下記を記載し、労働者に周知・徹底しましょう。

 

パワハラの定義

禁止される行為

ワハラ行為者に対する、処分の内容

 

(4)相談窓口を設置する

パワハラの相談窓口を設置しましょう。

 

パワハラが起こった時に、どこに相談すればいいか分かるように、

相談窓口の担当者名

相談窓口のメールアドレス、電話番号

を従業員に周知しましょう。

 

相談窓口を設置して終わりではなく、

「従業員が安心して相談できる」環境づくりが大切です。下記のブログを参考にして下さい。

 

【ハラスメント相談窓口 対応マニュアル】相談窓口が機能する19の傾聴ポイント

 

(5)パワハラに関する方針を周知する

パワハラについての会社の方針

相談から解決までの流れ

を従業員に周知しましょう。

 

周知方法としては、

社内報

ポスター

社内ホームページへの掲載

名刺サイズのカードを配布する

などがあります。

 

(6)実態を把握する【アンケートの実施】

パワハラの実態を把握するには、アンケートが有効です。

 

アンケートを実施することで、

相談を躊躇している「パワハラ被害者」の状況を把握できる

「パワハラを見聞きした人」から、情報を得られる

といった効果があります。

 

パワハラの早期発見に繋がる有効な手段です。

 

(7)教育する

従業員に対して、「パワハラ研修」を実施するだけではなく、

職場の問題点を改善するために

管理職への「マネジメント研修」

若手社員への「コミュニケーション研修」

なども有効です。

 

会社が講ずべきパワハラの措置を下記のブログに、まとめています。

よろしければご覧ください。

【2020年6月施行】「パワハラ防止法」で企業に義務付けられたこと

 

私たち一人ひとりができること

パワハラの無い良好な職場環境は、与えられるものではなく、

皆で作っていくものです。

 

まずは自分ができる事から、少しずつ始めていきましょう。

そうすると、周りも感化されて、少しずつ良い方向に変わっていきます。

 

「私たち一人ひとりが、今からできること」を2つ紹介します。

 

(1)価値観の違いを認め、人格を尊重し合う

一人ひとりが、相手の立場で考え、尊重し、思いやりを持って接する。

自分がされて嫌な事は、相手にしないようにしましょう。

 

(2)コミュニケーションの基本は、挨拶から(挨拶+一言)

毎日交わす「挨拶」に、ちょっとした一言を添えてみましょう。

 

(例)

おはよう。昨日は遅くまで、お疲れ様。

お疲れ様。最近調子はどう?

おはようございます。課長のアドバイスのお陰で、〇〇の件、順調です。

 

挨拶やちょっとした会話から、

思いやりが生まれ、職場の雰囲気が和みます。

 

職場の人と、積極的にコミュニケーションを取ってみましょう。

 

まとめ

以上今日は、「職場でパワハラが起こる4つの原因と22の対処法」について、

紹介しました。

 

【パワハラが発生する職場の特徴ベスト5】

第1位:上司と部下のコミュニケーションが少ない職場 45.8%

第2位:失敗が許されない/失敗への許容範囲が低い職場 22.0%

第3位:残業が多い/休みが取りづらい職場 21.0%

第4位:正社員や正社員以外(パート、派遣社員など)様々な立場の従業員が、

一緒に働いている職場 19.5%

第5位:従業員数が少ない職場 13.1%

 

【職場でのコミュニケーションが不足している要因】

(1)インターネット、電子メールの普及

(2) 一方通行のコミュニケーション

(3)  管理職の余裕の無さ、マネジメント能力の欠如

【対策】

《上司》

(1)指導や注意が、「部下の人格」を否定していないか気をつける

(2)仕事の指示をする際は、必ず「目的」まで伝え、疑問点がないか部下に質問する

(3)ほうれんそう(報告・連絡・相談)のタイミングを部下に伝える

《部下》

(1)アサーティブなコミュニケーションを身に付ける

《上司・部下に共通すること》

(1)「双方向」のコミュニケーションを心がける

(2)お互いの話をよく聴く

 

【失敗が許されない/失敗への許容範囲が低い職場になっている要因】

(1)成果主義賃金制度の導入~労働者同士がライバル関係に!~

(2)目標管理制度

【対策】

(1)成果達成までの「プロセス」や「チームへの貢献度」も評価する

(2)ミスを報告しやすい雰囲気をつくる

(3)ミスをした人ではなく、起きた事柄に焦点をあてる

 

【残業が多い/休みが取りづらい職場の要因】

(1)人員削減(人手不足)

【対策】

(1)業務プロセスの見直し(仕事の簡略化・効率化を図る)

(2)ITテクノロジーの導入(IT導入補助金も有り)

(3)アウトソースを利用する

 

【雇用形態の多様化でパワハラが起こる要因】

(1)弱い立場の人をストレスのはけ口にする

【対策】

(1)「正規労働者」と「非正規労働者」の待遇格差を無くす

 

 

【会社が取り組むべきパワハラ防止策】

(1)パワハラが起きる要因を取り除く

(2)トップのメッセージ

(3)ルールを決める

(4)相談窓口を設置する

(5)パワハラに関する方針を周知する

(6)実態を把握する【アンケートの実施】

(7)教育する

 

【私たち一人ひとりができること】

(1)価値観の違いを認め、人格を尊重し合う

(2)コミュニケーションの基本は、挨拶から(挨拶+一言)

 

 

リクナビネクストが、転職経験者に退職理由を調査したところ、

労働条件よりも、「人間関係の不満で仕事を辞める人」が多く、

特に上司や経営者など、自分より地位の高い人との人間関係が

ネックになっている事が分かりました。

 

この結果からも、「人間関係」が働く上で重要であることが見て取れます

誰もが、気持ちよく働き、協力し合える関係を望んでいるのではないでしょうか。

 

今日のブログが、パワハラの無い良好な職場環境を築く、

一つのヒントになれば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

■パワハラに関連する記事はこちら

【2020年6月施行】「パワハラ防止法」で企業に義務付けられたこと

パワハラと言われない部下指導のポイント7つ

【ハラスメント相談窓口 対応マニュアル】相談窓口が機能する19の傾聴ポイント

パワハラにあった時にどうすればいいのか【「相談先」「受けられる補償」について】

 

 

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