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今日は、下記3つの視点から、
心理学を用いた職場でのコミュニケーションを12個紹介していきます。
①部下への接し方
②上司への接し方
③お取引先やお客様への接し方
●部下や上司と良好な関係を築きたい
●仕事で結果をだしたい
と思っている方の一助になれば幸いです。
部下への接し方編
(1)君って本当は○○だよね(バーナム効果)
バーナム効果とは、
誰にでも当てはまる一般的な事を、言われたにも関わらず、
「自分の事を的確に言い当てられた!」と勘違いしてしまう現象をさします。
占いにも、バーナム効果は使われています。
例えば、
「2月生まれの人は、今月は“仕事運”に恵まれるでしょう」
と書かれた雑誌の占いページを見たとします。
そうすると
「今月、〇〇の仕事の受注があったのは、“仕事運”が良かったからだ~!!」
と「占いの内容」と「現実」を結び付けて考えてしまうのです。
このバーナム効果は、「職場で相手を褒める」ときに有効です。
●自分のことを的確に言い当てられた
●この人は、自分のことをよく分かってくれている
と相手に思わせるのが、ポイントです。
それでは、バーナム効果を活用した「褒め方」の一例をみていきましょう。
■【対比して褒める】
君は、一見おとなしく見えるけど、
「やると決めたことは、最後までやり抜く」意思の強さを持っているよね。
■【見えない努力を褒める】
君のプレゼンは、いつ聞いても分かりやすいね。
あれだけのものを作り上げるのには、相当な事前準備をしているんだろう。
昨日今日、身に付いたスキルではなく、
君が見えないところで、沢山努力しているのは知っているぞ!
上記は、誰にでも当てはまる一般的な褒め言葉かもしれません。
しかし、
●【対比して褒める】:あなたにはAという一面と、Bという一面があるよね
●【見えない努力を褒める】:〇〇が上手なのは、あなたが影で沢山努力をしているから
と言い方を工夫するだけで、「あなたの良さを、私はよ~く分かっていますよ」と、
相手に効果的に伝えることができるのです。
(2)人は期待された通りの人間になる(ピグマリオン効果)
ピグマリオン効果とは、期待をかけて接していると、
相手が期待通りに成長していくというものです。
●「よく気が利くね」と言っていれば、細かいことに気が付く思いやりのある人になります。
●「がんばり屋さんだね」と言っていれば、目標を掲げて自発的に取り組む人になります。
部下に強化させたい点があったら
「〇〇ができていない」と言うよりも、
些細なことでもいいので、上手くいった所を褒めてあげた方が、
能力を伸ばすことができます。
例えば、人前だと緊張してしまう部下に、
●今日のプレゼン、ポイントがまとまっていて良かったよ
●説明が分かり易かった
などと褒めてあげれば、自信がついて、苦手なこともどんどん上達していきます。
それに対して、
●まったく、今日のプレゼン噛みすぎ!!
●「えー」、「あのー」などの無駄な口癖が多すぎるんだよ!!
などと批判ばかりしていれば、苦手意識を相手に余計刷り込んでしまいます。
つまり、部下に対してプラスの言葉をかけ続ければ、
苦手なことも、得意なことに変わる可能性があるということです。
また、ピグマリオン効果を活用した部下育成には、
●「期待しているよ!」といって、部下に仕事を任せる
●「君ならできる!」といって、部下を励ます
といった方法もあります。
●褒められて、更に頑張る部下もいれば
●褒められることによって、現状に満足をして、努力を怠る部下もいます。
部下のタイプに合わせて、
「褒める頻度」や「期待のかけ方」などを、工夫するといいでしょう。
(3)いくら君でも無理だよね(プライドをくすぐる)
突然ですが、皆さんに質問です。
部下にどうしても、急ぎでやって欲しい仕事があります。
部下が、「分かりました!俺に任せて下さい」という気持ちになるのは、
どちらの頼み方でしょうか。
【A】忙しいところ申し訳ないんだけど、今日中に〇〇の資料を作ってくれないか。
【B】忙しいところ申し訳ないんだけど、今日中に〇〇の資料を作ってくれないか。
いやでも、いくら資料作成が速い君でも、これだけの資料を今日中につくるのは、無理だよね・・・。
部下が、上司の急な無茶ぶりにも、
やる気を持って、快く引き受けてくれるのは、【B】の言い方です。
【B】のように、
●部下の得意なことを褒めた上で、
●いくら〇〇が得意な君でも、無理だよね
と言われると、部下はプライドをくすぐられるので、
「何としても、やりきろう」という気持ちになります。
急ぎの仕事を頼む際には、
部下のプライドをくすぐる言い方をするといいでしょう。
(4)要求は多い方が、受け入れやすい(連結法)
皆さんに質問です。
次のうち、頼まれたことを「すぐにやろう」と思うのは、どの言い方でしょうか。(複数回答可)
【A】 〇〇さんへの連絡と、この前のイベントのアンケート結果をまとめておいてくれる。
【B】 この前のイベントのアンケート結果をまとめておいてくれる。
【C】 私はお客様にダイレクトメールを送るから、あなたはこの前のイベントのアンケート結果をまとめておいてくれる。
「頼まれたことをすぐにやろう」という気持ちになりやすいのは、
【A】 と【C】です。
【A】 は、「〇〇さんへの連絡」と「アンケート集計」といった
2つの指示が、同時にされています。
2つ以上の指示を同時にされると、頼まれた方は、
「どちらを先にやるか」「どんな風に進めたら効率がよいか」を考えると共に、
指示事項が多いぶん、1個でも早く片付けてしまおうという心理が働きます。
また、【C】のように、
「私は〇〇をするから、あたなた△△をしてもらえる」という言い方をされると、
「相手も〇〇をやるのに、私だけ△△をやらない訳にはいかない」
という心理が働き、相手の行動を促しやすくなります。
上司への接し方編
(5)一言添えて提出する(プライミング効果)
プライミング効果とは、
先行する事柄の記憶が、あとに続く事柄に影響を及ぼすことを言います。
プライミングには、「点火薬、起爆剤、呼び水」という意味があります。
事例をもとに説明していきましょう。
頼んでいた資料を、部下が「できました!」と言って、上司に見せに来ました。
次の内、上司が「部下に仕事を頼んで良かった」と思うのは、
どちらの部下の言い方でしょうか。
【A】 課長、先週頼まれた○○の資料ができあがりました。確認をお願いします。
【B】 課長、先週頼まれた○○の資料ができあがりました。
他社との違いが一目で分かるよう図や表を用いて、こだわって作りました。
確認をお願いします。
答えは、【B】です。
こだわった点や工夫した点をアピールされると、
それだけで、部下の仕事に対する意気込みや熱意を感じませんか。
また、完成した資料の出来を見る前から、
「頼りになる部下だな~!」と、
部下に対して、プラスの印象を抱きませんか。
普通に仕上げた仕事でも、
●ここにこだわりました
●○○を工夫しました
という一言を添えるだけで、
上司に、「この部下に、仕事を頼んで良かった!」と思って貰いやすくなります。
(6)早く仲間に溶け込みたいなら、相談をする(分かち合い)
新しい職場などで、同僚や上司との距離を早く縮めたいのであれば、
「相談」をもちかけるといいでしょう。
人は、自分を頼ってくれる相手に対して、親近感を覚えます。
初対面の相手に、深刻な話をすると敬遠される場合もあるので、
●仕事で上手くいかず悩んでいること
●仕事を効率的に進めるコツ
等を同僚や上司に相談してみるといいでしょう。
(7)分割法で、全否定を「部分否定」に変える
皆さんは、「新しい企画(案)をだしたのに、上司に全否定された」こんな経験はありませんか。
全否定を「部分否定」に変える方法があります。
それは、分割法というやり方です。
新しい企画のどこがダメで、何がOKなのかを
分割して見ていくことで、
却下された企画(案)を再検討して貰えるようになります。
では、上司と部下のやりとりの事例を使って、説明していきましょう。
部下:部長、この前わたしが出した企画案は、どうでしょうか。
上司:あの企画は、現実的じゃないから駄目だな!(全否定)
部下:それは予算面でということでしょうか。それとも販促のやり方について、検討が必要ということでしょうか。(何がOKで、何がダメなのか確認する)
上司:予算はなんとかなるだろうが、販促のやり方が、ターゲット顧客にあっていないんじゃないか。(部分否定に変わる)
部下:部長は、どんな販促のやり方がいいと思いますか。
上司:まずあの顧客層だと、SNSでの販促はマッチしないんじゃないか。
部下:その通りですね。では、SNS以外での販促のやり方について検討してみます!!
■【事例の解説】
「あの企画は、現実的じゃない」と言っていた上司も、
実際は、「販促のやり方」に納得がいっていないだけでした。
上司に「現実的じゃない」等の厳しい一言を言われても、
そこで落ち込まずに、
分割法を使って、「何がOKで、何がダメなのか」を冷静に確認するようにしましょう。
お取引先やお客様への接し方編
(8)一方的に話すよりも、相手に語って貰った方が話の理解が深まる(オート・クライン効果)
突然ですが、皆さんに質問です。
商品説明をする営業マンのスタンスとして、好ましいのはどちらでしょうか。
【A】 営業マンが、とにかく熱く語る。
【B】 お客様に時折り質問をふりながら、会話形式で進める。
答えは、【B】です。
商品説明の際は、お客様に特に印象付けたい大事な部分を
「質問」を織り交ぜながらおこなうといいでしょう。
心理学の世界では、オート・クライン効果といって、
自分が話した言葉を自分で聞くことによって、
より理解が深まるといった効果があります。
では、事例を使って見ていきましょう。
【事例】
営業:食洗器を使うと、1カ月あたりお風呂何杯分の水が、節約できると思いますか。
お客様:うーんそうね、お風呂5杯分くらいかしら。
営業:こちらをご覧ください。なんと1カ月あたりお風呂22杯分の水が節約できるんです。
お客様:あら!!そんなに節水できるの。
どうですか。
一方的に説明をするよりも、質問をして、相手に語ってもらった方が、
より印象に残るので、相手の理解度を上げることができます。
●ここは印象づけたい
●ここだけは、覚えて帰って欲しい
という所で、質問を織り交ぜるようにしましょう。
【更に詳しく知りたい方は、こちらのブログもご覧ください】
(9)イエスを積み重ねることで、潜在心理にノーを言わせにくくする(イエスセット)
イエスセットとは、相手が「イエス」と答えるような質問を繰り返すことで、
相手の「肯定的な反応」を癖付けしてしまう心理学上の「交渉テクニック」です。
イエスセットは、
「自分の行動や態度に、一貫性を持たせたい」という人間の心理を効果的に活用しています。
質問に対して、何度も「イエス」と同意していると、
その態度を一貫させようと、
少し無理難題な質問をされても、「イエス」と答えてしまうのです。
では、イエスセットを活用した交渉テクニックの一例を見ていきましょう。
一例:【化粧品売り場で商品を見ているお客様に、店員が話しかける場面】
最近一段と寒くなりましたよね。 Yes
この時期は、暖房も使うし、お肌が乾燥しますよね。 Yes
仕事で遅く帰った日などは、お肌のお手入れに時間をかけられないですよね。 Yes
オールインワン化粧品の新作がでたので、よかったらそちらもご覧になりますか。Yes
このように、常識的に考えて、ほとんどの人が「イエス」と答える質問を
3つくらい用意しておくといいでしょう。
イエス・ノーで答えられる質問が、5回も10回も続くと、
●尋問されている
●交渉術を使って、私を説得しようとしている
と相手が警戒してしまうので、注意が必要です。
相手が「イエス」と答える質問を3つしたら、
「本命の質問」をしましょう。
先ほどの例であれば、
「オールインワン化粧品の新作がでたので、よかったらそちらもご覧になりますか」が、
本命の質問になります。
お客様に対して、「何を促したいのか」という“本命の質問”を明確にした上で、
「会話の流れ」を事前に用意しておくといいでしょう。
(10)お客様の意思決定は二択で迫る(ダブルバインド)
二つの選択肢を示し、相手にどちらか一つを選んでもらうように仕向け、
どちらを選んだにしても、示し手の得になるようにすることをダブルバインドと言います。
次の内、ついついオーダーを追加してしまうのは、どちらの定員さんの言い方でしょうか。
【A】ランチのオプションは、いかがなさいますか。
【B】ランチのオプションとして、「ドリンクバー」と「デザート」がございます。
どちらになさいますか。
答えは、【B】です。
「ドリンクバーとデザート、どちらになさいますか」と二択で訊かれると、
「どちらかを選ばなきゃ!!」という心理が働き、
お客様が、ランチのオプションをつける確率が高くなります。
【更に詳しく知りたい方は、こちらのブログもご覧ください】
(11)イメージさせたい単語を会話に盛り込む(マーキング)
マーキングとは、相手に最も訴えかけたい要点やイメージを、
相手に意識されない程度に強調し、相手の潜在意識に働きかける方法をいいます。
では、マーキングの事例を見ていきましょう。
どの言葉を繰り返し言っているかを考えながら、例文を読んでみて下さいね。
【例文】
すぐに買っていただかなくても、大丈夫ですよ。
すぐに即決して買うような金額のお品ではありませんから。
作りが丈夫で、高価なモノですので、お嬢様、お孫さんの代と、代々ご利用いただけます。
一生ものの買い物ですので、ぜひじっくりとご検討ください。
皆さん、わかりましたか。
今回の事例では、【買う】という言葉が、何度も繰り返しでてきています。
「買う」という言葉が、何度もでてくると、
お客様の無意識に暗示が入り、
「買った方がいいのかしら」という気持ちになり、徐々に購買意欲が搔き立てられます。
(12)「また会いたい」と思わせるには、会話が盛り上がったタイミングでその場を去る(余韻)
「また会いたい」と思われる人になるには、人間としての魅力が必要です。
人間としての魅力は、一朝一夕に身に付くものではなく、
自分自身を日々磨いていくことが大切です。
しかし、心理学を駆使すれば、
どんな人でも、「また会いたい」と思って貰うことができます。
それは、どうしたらいいか・・・。
会話が最も盛り上がったタイミングで、その場を去ればいいんです。
相手は、話し足りないと感じ、
「また次も会って話がしたい」という気持ちになります。
このテクニックは、仕事で取引先を訪問した時などにも有効です。
程よい余韻を残して退席すれば、
相手の方から、誘いの連絡が来るようになります。
まとめ
以上今日は、心理学を用いた職場でのコミュニケーションを12個紹介しました。
部下への接し方編
(1)君って本当は○○だよね(バーナム効果)
(2)人は期待された通りの人間になる(ピグマリオン効果)
(3)いくら君でも無理だよね(プライドをくすぐる)
(4)要求は多い方が、受け入れやすい(連結法)
上司への接し方編
(5)一言添えて提出する(プライミング効果)
(6)早く仲間に溶け込みたいなら、相談をする(分かち合い)
(7)分割法で、全否定を「部分否定」に変える
お取引先やお客様と接するとき編
(8)一方的に話すよりも、相手に語って貰った方が話の理解が深まる(オート・クライン効果)
(9)イエスを積み重ねることで、潜在心理にノーを言わせにくくする(イエスセット)
(10)お客様の意思決定は二択で迫る(ダブルバインド)
(11)イメージさせたい単語を会話に盛り込む(マーキング)
(12)「また会いたい」と思わせるには、会話が盛り上がったタイミングでその場を去る
どれか一つでも実践していただけると嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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