「PDCAサイクル」に基づいて、部下を育成する方法

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皆さんは、部下を育成する際どんなことを心がけていますか。

 

●部下指導が、「行きあたりばったり」になってしまう

●部下が、一人前にならず困っている

●初めて新入社員の部下指導を任された

といった方の為に、今日は「PDCAサイクル」に基づいて、部下を育成する方法を紹介していきます。

 

それではまず、日頃の皆さんの「部下育成」について、振り返りをして頂きましょう。

下記の質問項目に対して、「何個○がつくか」チェックしてみてください。

 

育成計画表を作成し、計画に沿って段階的に部下を指導している。

業務スキル以外に、対人スキル(マナー、コミュニケーション)も教えている。

部下が、ここ1ヵ月で「成長した」と思う事が、すぐに頭に浮かぶ。

部下に今後1~3ヵ月の間に身につけさせたいスキルが、明確である。

部下が将来やりたいと思っていること、興味があることを把握している。

 

○は、何個つきましたか?

全問○がつかなかったという人も、大丈夫!

PDCAサイクルに基づいた部下育成を徹底すれば、自然と上記項目に○がつくようになります。

 

それではさっそく、「部下育成におけるPDCAサイクル」の詳細を見ていきましょう。

部下育成におけるPDCAサイクルとは

Plan】:部下育成は、計画を立てるところから始まります。

Do】:その計画に基づいて、部下を育成し、仕事を経験させます。

Check】:計画通りに成長しているかどうかを定期的に確認し、

「身に付いた能力」と「身に付いていない能力」を明らかにします。

Action】:身に付かなかった能力を再度教え、身に付けさせます。

 

そして、部下の成長度合いに合わせて、次の育成計画を立てます。

Planに戻る

 

皆さんは、上記PDCAサイクルの中で、抜けている所や、おざなりになっている箇所はありませんでしたか。

部下育成において、PDCAサイクルのどこか一箇所でも抜けていたら、意味がありません。

PDCAサイクルは、回し続けていくことが大切です。

 

それでは次に、部下育成におけるPDCAサイクルの各段階で、

「どんなことに心がけて取り組んでいけばいいのか」を説明していきます。

PDCAサイクルの各段階のポイント

 Plan

部下育成は、計画を立てるところから始まります。

計画の立て方は、下記の(1)~(5)の流れでおこないます。

 

(1)「どのような仕事があるか」を書き出します。

抜けや漏れがないように、会社に「能力要件書」や「職務要件書」がある方は、それらを参考にするのもいいでしょう。

(2)次に、「その仕事を遂行する上で、どんな能力・スキルが求められるか」を考えます。

 

(3)(1)・(2)が終わったら、

それぞれの仕事で、「何ができるようになればいいか」といった"目標"を設定します。

このとき、成長段階が把握できるよう「目標」を細分化するのがポイントです。

 

例えば、「交渉力」・「折衝力」を身に付けさせたいと思ったら、下記のように目標を細分化します。

レベル1:「部内」調整ができる

レベル2:「他部門」を含めた調整ができる

レベル3:「社外」調整ができる

ここで大切なのは、部下に「レベル3」の能力を、すぐに求めないということです。

レベル1ができたら、レベル2といった具合に、徐々に難易度を上げて、出来ることを増やしていくことが大切です。

 

(4)教える順番を考える。

業務を遂行していく上で、何を優先して教えるかを考えます。

先ほども述べた通り、「簡単なこと」から徐々に難易度を上げて、教えていくことが大切です。

 

また、「1.対人スキル」→「2.専門スキル」の順で教えていくといいでしょう。 対人スキルとは、コミュニケーションやマナー、チームワーク、協調性等を指します。

新人のうちは、専門スキルを身に付けることよりも、周囲とうまくコミュニケーションをとれるようになることの方が、重要です。

 

(5)(1)~(4)までの洗い出しが終わったら、

 

・いつ(When)

・どこで( Where)

・誰が(Who)

・何を( What)

・どうして( Why)

・どのように( How)

教えるかを、計画に落とし込んでいきます。

 

つまり、5W1Hを基に計画を立てていきます。

 

ここで大切なのは、「部下にいつまでに、何ができるようになっていてほしいか」というゴール(目標)を明確にするという事です。

期間は、3ヵ月でも、半年、1年でも構いません。

部下育成も、他の仕事と同じです。

「目標」を掲げて、それに即した計画を立てましょう。

 

計画を立てる上で、「(1)~(5)まで、こんなにステップがあるのか」と思われた方もいるでしょう。

しかし、計画をしっかりと立てないと、「あれを教えていなかった」「○○さんがてっきり教えてくれていると思っていた」など、教える上で、抜けや漏れが発生する場合があります。

 

手間を惜しまず、しっかりと計画を立てる事が、部下育成の成功の鍵となります。

 

また、育成計画をしっかりと作っておくと、下記のような利点があります。

部下育成を複数人で担当する際、進捗度合いを互いに共有し合える

「部下の成長度合い」や「教えたこと・教えていないこと」を把握できる

一度作ってしまえば、次年度以降は手直しや修正を加えながら、再活用できる

 

ぜひ、計画をたてずに「行きあたりばったり」で、部下を指導してしまっている人は、まずは計画を立てるところから始めてみてください。

きっと、今以上に部下指導が上手くいくはずです。

 

Do

計画に基づいて、部下を育成し、仕事を経験させます。

 

部下育成に関しては、説明を始めると長くなるため、下記のブログを参考にしていただけると幸いです。

「自発的な部下」を育てる指導法

仕事の手戻りを防いで、指示事項がしっかりと伝わる「指示の仕方」

部下が、「自発的に報・連・相をするようになる」5つの方法

 

 

ChecK

部下が、計画通りに成長しているかどうかを確認し、

「身に付いた能力」と「身に付いていない能力」を明らかにしていきます。

 

ここで大切なのは、上司と部下の双方で、上記について擦り合わせを行うということです。

上司だけで、一方的に評価・振返りをするのではなく、部下も交えておこないます。

 

例えば、下記のような質問を、部下にするといいでしょう。

ここ1ヵ月で、自分ができるようになったこと、成長したと思うことは何?

自分の今後の課題は、何だと思う?

半年後、1年後、自分はどうなっていたい?

 

なぜ、部下にこのような投げかけをするかというと、部下に"主体性"を持たせるためです。

「上司にこれは出来ている。これは出来ていない」と言われるのは、簡単です。

しかしそれでは、部下自身の「成長したい」という気持ちが育ちません。

 

部下の成長意欲や主体性を育てる為には、部下自身に「何ができていいて、何が課題なのか」を考えさせることが大切です。

 

 

また、上司が部下にフィ―ドバックを行う時には、どんな事に気をつけたらいいのでしょうか。

まずは、例題を見てみましょう。

下記のうち、上司のフィ―ドバックとして適切だと思うのはどちらですか。

 

【A】○○ができるようになったね!次は、□□ができるように頑張ろう。

【B】なんで、○ヵ月も経つのに、こんなことも出来ないんだ!

 

 

 

 

答えは、もちろん【A】です。

 

まずは、相手を認めた上で、課題を伝えるのがポイントです。

 

課題ばかり言われると、部下は自信ややる気を無くします。

課題を伝えるときには、必ず「できるようになったこと」・「成長したこと」・「部下のいい所」を添えてあげるようにしてください。

 

※部下に対する「課題の伝え方・注意の仕方」をさらに詳しく知りたいという方は、こちら↓

部下のやる気を下げない叱り方

 

 Action

身につかなかった能力を再度教え、身に付けさせます。

 

このとき大切なのは、「何が足りなくて」できないのかという"原因"を考えるということです。

 

例えば、下記の2つの軸で原因を考えると、「教え直し」がスムーズにいきます。

●知識が足りない場合には、「知識」を与える

●実践が足りない場合には、「実践」の機会を増やす

 

部下ができない原因の多くが、「知識不足」「実践不足」のどちらかに当てはまります。

「教え直し」をする際には、どちらに該当するのかを考え、それに合わせた指導をする事が大切です。

 

 

以上、PDCAサイクルに基づいた部下育成の方法を紹介しました。

 

PDCAサイクルの中で、既に皆さんのなかで、やられていることもあったかと思います。

 

PDCAサイクルをまわしていく上で、

「ここは少し、抜けていたかも・・・」「おざなりになっていたかも・・・」という箇所がありましたら、その部分だけでも、今日お伝えした事を、意識して取り入れていって頂けたら嬉しいです。

 

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

 

 

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