ファシリテーションとは何か~成果が上がる会議の進め方18のコツ~

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ファシリテーションとは、

メンバーの知恵を引き出し、質の高い意思決定を導くスキルです。

 

今日は、ファシリテーションを用いた「成果が上がる会議の進め方のコツ」を、

18個紹介していきます。

 

会議が、時間内に終わらない

議論が、脱線してしまう

参加者が、積極的に発言をしない

会議での決定事項に後日不満の声が上がる など

こんな悩みを持った方の一助になれば幸いです。

 

会議の流れ

会議は、どのように進めればいいのでしょうか。

 

答えは簡単です。

下記の4Stepに則って、会議を進めていきましょう。

 

【会議の進め方】

Step1:定義

議論するテーマについて、共通認識を持つ

議論する「目的」、「会議のタイムスケジュール」を共有する

 

Step2:発散

アイデアを沢山だす

 

Step3:整理

参加者から出たアイデアを分ける、整理する

 

Step4:合意形成

基準を設定し、最も良い意見を選択する

 

では、4Stepに基づいて、会議の進め方のコツを見ていきましょう。

 

Step1:定義

(1)議論するテーマに対して、共通認識を持つ

重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。

 

これは、経営学者ピーター・ドラッカーの言葉です。

 

「問い」というのは、知恵や情報を引き出すかなめになります。

「議論するテーマ=問い」を具体的に設定しましょう。

 

例えば、下記の「議論テーマ」があったとします。

会議の参加者全員が、共通認識を持って議論に参加できるのは、

どのテーマでしょうか。

 

【A】議論テーマ:これからの若手社員に求められている素質は、何か。

【B】議論テーマ:入社1年目の社員が、身に付けるべき業務上のスキルは、何か。

 

 

 

 

 

答えは、【B】です。

 

【A】の「若手社員」と聞いて、皆さんは入社何年目の社員を思い浮かべますか。

 

若手社員=入社1年目

若手社員=入社1~3年目

若手社員=20代の社員

など、人によって若手社員の捉え方が、異なるのではないでしょうか。

 

また、「素質」という言葉も同様です。

 

「素質=ビジネススキル」と捉える人もいれば、

素質=行動特性

素質=マインド

など、人によって言葉の捉え方が異なります。

 

認識のズレを防ぐためには、「議論テーマ」を具体的に設定することが大切です。

 

議論テーマには、

「曖昧な言葉」「抽象的な言葉」を入れない

「問い」や「疑問文」の形にしましょう。

 

例えば、「会議の生産性向上について」「〇〇の件」といった漠然とした議論テーマでは、

参加者の捉え方にバラつきが、でてしまいます。

 

「入社1年目の社員が、身に付けるべき業務上のスキルは、何か」など、

“問”を投げかけるスタイルの方が、話し合うテーマがより明確です。

 

(2)議論する「目的」、「会議のタイムスケジュール」を共有する

皆さんは、会議をおこなう際ホワイトボードを有効に活用していますか。

会議が始まる前に、ホワイトボードに下記の項目を記載しておくといいでしょう。

 

《記載例》

議題のテーマ:次回の社内旅行の「行き先」をどこにするか

会議の目的:入社1年目の社員との親睦を図る社内イベントを企画する

 

タイムスケジュール

アイデア出し(発散)10:00~10:20

グループ分け(整理) 10:20~10:30

判断基準の選定&合意形成 10:30~10:50

 

 

 

【会議の目的】:何のために集まって、話し合いをするのか

【会議のゴール】:この会議でどんな成果を出せばいいのか/どこまで辿り着けばいいのか

を明確にすることで、

話し合いの際に、論点がズレるのを防げる

「時間内に会議を終わらせよう」という意識がより芽生える

といった効果があります。

 

Step2:発散

(3)考える時間を設ける

Step2の「発散」では、会議の参加者から、沢山アイデアをだしてもらうことが重要です。

アイデアや意見を発表してもらう前に、下記のような「考える時間」を設けるといいでしょう。

 

個人で考える

2~3分時間を取って、一人ひとり意見を考えてもらう

or

一人ひとり付箋に意見を書いてもらう

 

《ファシリテーターの声掛けの一例》

※ファシリテーターとは、

会議の進行役を担う人、ファシリテーションスキルを持つ人のことを指します。

 

では、〇〇のお題について、1人3分間で考えをまとめてください。

そのあと、こちらから順番に一人ずつ意見を聞いていきます。

 

《実施するメリット》

参加者全員の意見を聞くことができる

付箋に書くことで、誰が提案したかではなく、意見の内容そのものを重視できる

 

 

ペア討議、グループ討議

隣同士、または複数人のグループになって、話し合いをしてもらう。

 

《ファシリテーターの声掛けの一例》

それではまず、グループに分かれて、5分間話し合いをしてください。

そのあとでグループごとに意見を発表してもらいます。

 

《実施するメリット》

会議冒頭の緊張した雰囲気を和らげることができる

少人数なら話せるけど、

多くの人の前で意見を言うのは苦手といった参加者の意見を拾うことが出来る

他のグループよりも「優れた意見を発表しよう」という競争心が生まれる

 

(4)でた意見に対して、その都度「批判」や「評価」をしない

ひとつ意見が出るたびに、その意見に対して「批判」や「評価」をしない。

 

これは、アイデアや意見を沢山出すうえでの鉄則です。

例えば、「営業職の社員(入社1~3年目)のスキルアップを図る為には、どうしたらいいか」

というテーマで議論しているとしましょう。

 

【NG例】

Aさん;外部のセミナーを積極的に受けるというのは、どうでしょうか。

 

Bさん:それは、会社の経費で、勤務時間中に受けに行くっていうことだよね。

ただでさえ、人手が足りないのに、セミナーに行っている時間があるかね。

 

Cさん:では、通信講座はどうですか。

PCがあれば、好きな時間に講座を受講できますよ。

 

Dさん:通信講座ね。忙しいのに見るかね。

 

 

 

こんな風にでてきた意見に対して、いちいち批判をしていたら、

重苦しい雰囲気になり、アイデアが広がっていきませんよね。

 

アイデアをだす「発散」の時間では、批評・評価はNG。

アイデアを出すことに専念して、

批判や評価は、Step4の「合意形成」の時間におこなうようにしましょう。

 

(5)「称賛ワード」を盛り込む

参加者に主体的に議論に参加してもらう為には、

ファシリテーターが、発言者に対して、

「“称賛ワード”(褒め言葉、労いの言葉)」を投げかけるといいでしょう。

 

【称賛ワード一例】

その視点は、新しいね

皆が気づかない点を指摘してくれて、ありがとう

確かに、その視点は重要ですね

〇〇に詳しい、Aさんらしい意見だね

 

口先だけにならいよう、具体的に心を込めて伝えるのがポイントです。

 

(6)メンバーの意見を正確に理解する~要約スキル~

会議の参加者の中には

回りくどい話し方をする人

説明が、やたらと長い人

結論をすぐに言わない人

などもいるでしょう。

 

論理的で分かりやすい発言をする人ばかりではないので、

ファシリテーターが、「〇〇ということですね」と要約を入れて、確認をしていきましょう。

 

ファシリテーターが要約をすることで、

分かりにくい意見を放置しないで、進めることができる

発言に対する全員の理解を揃えることができる

といった効果があります。

 

では、どこを要約するのか。

ズバリ「議論のテーマに対する、“答え”になっているところ」です。

 

逆に、要約の際に削ってもOKな内容は、下記のとおりです。

 

■【今の議論テーマと関係のない内容

たとえ大事なことを言っていても、

議論のテーマと関係がなければ削ってしまって構いません。

 

■【具体例、たとえ話

「今年の新入社員の特徴」について議論しているとしましょう。

太字の発言は、具体例にあたるので、要約の際に削っても問題ありません。

 

うちの部署の新入社員は、分からないことがあると、

自分で調べずに、すぐに聞いてくることが多いですね。

あと、中間報告がないので、ちゃんと頼んだことをやれているのか心配になります

例えば、先週こんなことがあったんですよね・・・・・・。

 

 

【要約をする際の注意点】

要約をする際は、発言の主旨とズレた「過度の言い換え」をしないように注意しましょう。

 

例えば、「社員のモチベーションが下がっている原因は、何か」

というテーマで話し合っているとしましょう。

 

【参加者の発言】

社員のモチベーションが下がっているのは、人事評価制度に原因があると思います。

今の評価制度だと、頑張っている人も、頑張っていない人も、

昇給額に大きな差がありません。

頑張っても報われないと思えば、働く上での士気は下がりますよね。

 

→【NGな要約】

人事制度そのものに、原因があるということですね。

 

要約だけを聞いて、元の発言の主旨や真意を理解できるようにするのが理想です。

上記事例の場合は、「人事制度」と別の言葉で、過度に言い換えることで、

具体的に何が言いたいのかが、不明確になってしまっています。

 

→【OKな要約】

モチベーションが下がっている原因は、人事評価制度にある。

なぜなら、頑張っている人、頑張っていない人で、

昇給額に差が無い、ということですね。

 

《Point》

要約をする際には、「なぜなら」等の接続詞を入れると、

「主張」と「根拠」が明確になり、分かりやすい話し方になります。

 

(7)「よく分からない発言/論理的ではない発言」は、質問をして「確認」する

よくわからない発言や、論理的ではない話し方をする相手には、

要約ではなく、まず「質問」をして、発言の内容を理解するようにしましょう。

 

話が長すぎて、何をいいたいのか分からないとき

 大変興味深い内容なので、一言で言うと、どういうことでしょうか。

→ 皆さんは、〇〇さんの意見についてどう思いましたか。

→ 〇〇さんのご意見に対して、何かご質問のある方はいらっしゃいますか。

 

 

発言が短い / 発言が単語レベルだったとき

《発言の一例》やっぱり人を増やすしかないですかね。

→ ぜひもう少し詳しく、教えていただけますか。

→ どうしてそう思われるのか、よかったら理由を教えていただけますか。

 

根拠のない発言だったとき

《発言の一例》お客様からのニーズが多いので、〇〇の機能を重視するべきですよ。

→何割のお客様から、そのような声があがっているのでしょうか。

→そのようなニーズを裏付けるデーターを、何かお持ちなんですか。

 

曖昧な発言をされたとき

《発言の一例》社内の問題点は、コミュニケーションがとれていない事だと思います。

→具体的には、どんな点でコミュニケーションがとれていないと感じますか。

《発言の一例》皆が気楽に参加できる社内イベントが、いいと思います。

→〇〇さんが考える“皆が気軽に参加できる社内イベント”とは、

具体的にはどんなイベントでしょうか。よかったら教えていただけますか。

 

過度の一般化をされたとき

《発言の一例》学生時代に運動部でキャプテンをやっていたA君なら、

リーダーシップがあるに違いない。次のチーム長には、A君を推薦しよう。

→「学生時代にキャプテンをやっていた=リーダーシップがある」と

結論づけてしまって、いいのでしょうか。

例えば、〇〇の視点からも、適任者がいないか検討すべきではないでしょうか。

皆さんは、どう思われますか。

 

《Point》

教えを請う気持ち」で、質問しましょう。

 

あなたの発言が、分かりにくい

要領を得ない話し方をされると、困るんだよー!!

といったファシリテーターの本音が、相手に伝わらないようにしましょう。

 

(8)議論のズレを正す

ファシリテーションが上手くいかない理由として、

「議論のズレを正せない」ことが挙げられます。

 

「議論がズレている・・・」と思っても、参加者に気を使って指摘しにくい。

こんな経験は、ありませんか。

 

ズレを放置しておくと、正しい議論がなされず、最終的な合意形成まで至りません。

 

では、議論がズレるとは、具体的にはどんなことを指すのでしょうか。

 

【議論のズレの一例】

「残業時間を減らすために、“部署内で”どのような取り組みができるか」を話し合っていたのにも関わらず、

「人員配置」や「給与制度」を見直すべきだと意見を述べる。

これでは、「部署の話→会社全体の話」に論点がズレてしまっています。

 

残業時間を減らすために、「お金をかけずにできることは何か」を話し合っていた際、

「AIを導入すればいい」「人員を増やすべきだ」等のコストがかかる内容について意見を述べる。

 

「話し合うべきテーマ」に沿っていない意見を述べる人がいたら、

下記の声掛けをおこない、軌道修正を図りましょう。

 

「直接」議論のズレを正す

その意見は、総論にあたる/別の切り口にあたると思うのですが、いかがでしょうか。

□□といった視点も重要ではありますが、先ずは〇〇について議論をしませんか。

 

 

「間接的」に議論のズレを正す

議論が白熱してきましたので、ここで改めて、いま話し合うべきテーマについて

確認をおこないましょう。今の時間は、何について議論する時間でしょうか。

※(上司やお客様など、直接「議論のズレ」を指摘しづらい相手に有効です)

 

 

では、皆さんに質問です。

ズレた意見は、ホワイトボードに記載しますか、それとも記載しませんか。

 

【A】ズレた意見でも、記載する

【B】ズレた意見は、議論テーマから逸脱しているので記載しない

 

 

 

 

答えは、【A】です。

議論テーマとズレた意見であっても、ホワイトボードに記載をします。

 

皆さんだったら、せっかく勇気を出して言ったのに、

自分の意見だけが、ホワイトボードに書かれなかったらショックですよね。

 

ズレた意見の場合は、「保留案件」「その他意見」という項目を設けて、

ホワイトボードの右下等に別途書くようにするといいでしょう。

 

(9)文末の表現を揃えて、発言してもらう

せっかく意見を沢山だしてもらっても、

議論のテーマとズレた発言が連発しては、意味がありません。

 

では、皆さんに質問です。

 

「部下のモチベーションを上げるために、上司は何に取り組むべきか」

というテーマ話し合っていたところ、下記の意見がでました。

下記のうち、お題に沿った意見を述べられているのはどれでしょうか。

 

(1)   面談をして、部下の仕事上の悩み・困っていることを把握する

(2)   部下とのコンタクト回数を増やして、話しやすい雰囲気を作る

(3)   仕事に対して、受け身で言われたことしかやらない部下が多い

(4)   褒める、労いの言葉をかけることを習慣にする

(5)   給与が低すぎることが原因。給与の見直しを図るべきだ。

 

 

 

 

 

お題に沿った意見を述べているのは、(1)(2)(4)です。

 

ファシリテーターは、「議論のテーマに沿った意見なのか/そうじゃないのか

をしっかりと見極め、前章で述べた通り、板書をする位置等にも気を配る必要があります。

 

また、ファシリテーターの工夫次第で、

「議論のズレ」を未然に防ぐこともできます。

 

参加者に、文末の表現を揃えて、意見を述べてもらえばいいのです。

 

例えば、先ほどの事例であれば、

「部下のモチベーションを上げるために、上司は何に取り組むべきか」

というテーマに対して、

〇〇をする」といった文末表現で、意見を述べて貰うといいでしょう。

 

文末の表現を揃えるやり方は、他にもあります。

一例を掲載しますので、よかったら参考にしてください。

 

社会人になる前に、大学生はどんなことを身に付けておくべきか

→「〇〇する力」で揃えて、意見を発表して貰う

 

B商品が人気の理由は何か。

→「〇〇だから」で揃えて、意見を発表して貰う

 

(10)観察上手になる

何か言いたそうなメンバーがいたら、「〇〇さん、何かご意見はありますか」と声をかけ、

発言を促すようにしましょう。

 

意見を言いたそうな人の特徴

ファシリテーターに目線を送ってくる

顔を伏せたり、上げたり、少し落ち着かない雰囲気

首を傾けたり、何か考えた表情をしている

そわそわしている

 

ファシリテーターが、「発言したい気持ち」を汲んでくれたと思うと、

相手は嬉しいものです。

 

意見やアイデアがあっても、発言を躊躇してしまう人もいます。

 

メンバー全員が、まんべんなく発言できるよう気を配ることが大切です。

 

(11)1番最初に発言をした相手の名前を挙げる

他者が発言した内容をもとに、意見を述べた相手に対しては、

これは、〇〇さんがおっしゃっていた内容と関連しますね」と声をかけるといいでしょう。

 

参加者のなかには、

「これは元々俺が言ったアイデアなのに、Bさんの手柄になっている・・・」

と拗ねたり、不快に感じる人もいます。

 

一番最初に意見を述べた相手を立てるようにしましょう。

 

(12)意見を広げる質問をする

アイデアや意見をだす際には、「質」よりも「量」を重視しましょう。

 

また、参加者のなかには、

意思決定の段階になって、新しい意見を述べる人

議論が別の話題に移っているのにも関わらず、前のテーマを蒸し返す人 もいます。

 

上記の現象を防ぐためには、

「すべて意見を出し切ったか」を確認しながら、

Step2の「発散」の段階を終えることが大切です。

 

例えば、下記のような声掛けをファシリテーターがおこなうといいでしょう。

 

Aの方に意見が傾いていますが、Bの意見は他にないですか

 

A案、B案についての意見は沢山でましたが、C案についてはあまり出ていないようですね。

C案について、もう少し話し合ってみませんか。

 

今の時点で、何か見過ごしている点はありませんか。

〇〇に詳しい、Aさんの立場から見て、何かありませんか。

 

これで全て出し切りましたか。他にありませんか。

 

A案とB案で、意見が分かれていますね。この際、A案とB案の融合版として、

「コストを最小限に抑えて、顧客満足度を高めるアイデア」を考えてみるのはどうでしょうか。

 

考えられる案は出し尽くしましたか。なければ次に進みます。よろしいですか。

 

《ワンポイントアドバイス》

アイデアを20個あげてください」など具体的な数字をあげるのもいいでしょう。

 

具体的な目標数があると、

「アイデアを沢山だすことに集中しよう!!」という心理が働きます。

 

Step3:整理

Step3では、グルーピングの手法を用いて、参加者からでた意見を整理していきます。

 

グルーピング

参加者から出た意見・アイデアを、

意味が類似しているモノ同士で分ける、整理する

分類したものに、ネーミングをつける

 

これらの行為を「グルーピング」といいます。

 

 

マジックナンバー7

「人が、同時に処理できる項目は7つ前後である」と心理学の世界では言われています。

 

意見が10個、20個・・・100個と沢山でても、

意見をグループに分けて、数を減らしてしまえば、処理能力が格段に上がります。

 

例えば、「部署内の残業時間を減らすにはどうしたらいいか」

というテーマで話し合ったところ、下記の意見がでました。

皆さんだったら、どのように意見を整理してまとめますか。

 

<ヒント:2つのグループに分けることができます>

 

(1)   会議の実施回数を減らす

(2)   割愛できる仕事、簡略化できる仕事がないか検討する

(3)   外注できる仕事がないか検討する

(4)   PCスキルを高め、事務作業の時間を減らす

(5)   部内のノウハウや成功事例を共有する

(6)   90分に1回は休憩を取るようにして、集中力を上げる

(7)   事務作業に集中する時間を1日1時間設ける(その時間だけは、電話の取り次ぎ、報告・相談を受けつけないようにする)

 

 

 

 

 

今回のケースの場合、下記のように出てきた意見を2つのグループに分けることができます。

 

■【仕事量そのものを減らす

(1)   会議の実施回数を減らす

(2)   割愛できる仕事、簡略化できる仕事がないか検討する

(3)   外注できる仕事がないか検討する

 

■【仕事の生産性を上げる

(4)   PCスキルを高め、事務作業の時間を減らす

(5)   部内のノウハウや成功事例を共有する

(6)   90分に1回は休憩を取るようにして、集中力を上げる

(7)   事務作業に集中する時間を1日1時間設ける(その時間だけは、電話の取り次ぎ、報告・相談を受けつけないようにする)

 

(13)議論テーマに対する答えをグループ名につける

グループ名をつける際には、議論しているテーマに対する「答え」を、

一目見ただけで分かるように具体的に書くようにしましょう。

 

例えば、先ほどの事例であれば、

仕事量

生産性

といった単語レベルでグループ名をつけると、

何が言いたいのかが分からなくなってしまうので注意しましょう。

 

(14)【Step2発散の段階】で、「類似意見は近くに」、「違う意見は離して」書く

Step2の発散の段階で、ホワイトボードに意見を書く際は、

似た意見がでたら、近くに書く

意味合いが異なる意見は、離して書く

とグルーピングの作業が楽になります。

 

でてきた意見を、順番通りに羅列して、ホワイトボードに書くのは辞めましょう。

 

(15)意見をまとめる際は「ボトムアップ」「トップダウン」2つの手法を使い分ける

でてきた意見を整理するやり方には、

「ボトムアップ」「トップダウン」の2つがあります。

 

では、「2つのやり方の違い」について、見ていきましょう。

 

ボトムアップ

お題に対して、思いつく意見・アイデアを沢山だします。

その上で、類似する意見をグループごとに分けます。

 

トップダウン

最初から「議論するテーマ」を大きな切り口に分けて、

それをベースに、参加者に意見を述べてもらいます。

 

例えば、先ほどの事例であれば、部署内の残業時間を減らすために、

(1)“仕事量そのものを減らす”

(2)“仕事の生産性を上げる”

という2つの切り口から、意見やアイデアを考えて欲しいと伝えた上で、

参加者に意見を述べてもらいます。

 

または、ファシリテーターが一方的に「切り口」を考えるのではなく、

「議論のテーマに対して、どのような切り口で話し合えばいいか」

参加者の意見を募る方法もあります。

 

ファシリテーターが、「Step1の定義」の段階で、

下記のような声掛けをするといいでしょう。

 

今から〇〇のテーマで議論をするのですが、どんな切り口で話し合えばよいか、

意見のある方はいらっしゃいますか。

 

上記の投げ掛けをおこなった方が、

メンバーの納得感を得やすいといった効果があります。

 

では次に、「ボトムアップ」「トップダウン」のメリット、デメリットを見ていきましょう。

 

ボトムアップ

《メリット》

枠組みが無いぶん、ユニークなアイデアが出やすい

 

《デメリット》

議論に時間がかかる

中途半端にやると、アイデアをだす上でヌケモレが発生する場合がある。

例えば、「仕事量そのものを減らす取り組み」については意見がでたが、

「仕事の生産性を上げる取り組み」については、全く議論をせずに終わってしまうなど。

 

トップダウン

《メリット》

考える切り口が提示されているので、効率よく議論を進めることができる

(=議論の時間が、短くてすむ)

 

《デメリット》

既存の切り口にとらわれて、ユニークなアイデアが出にくい場合がある。

 

 

どちらのやり方にもメリットとデメリットがあります。

 

議論するテーマやメンバーの状況によって、2つの手法を使い分けることが大切です。

 

例えば、ファシリテーターが議論するテーマに詳しく

事前に話し合うべき切り口が見えている場合は、

トップダウン型を採用するのもいいでしょう。

 

(16)グルーピングの際、モレやダブリがないように参加者に「質問」を投げかける

モレやダブリがない状態でグルーピングができるよう、

参加者に対して、下記のような質問を投げかけるといいでしょう。

 

でてきた意見を整理するとき

意見がでつくしたようなので、ここで出てきた意見をグループに分けませんか。

どの意見と、どの意見が近いですか。

 

 

グループ分けに無理やり感があると感じたとき

この意見を〇〇グループに入れるのは、少しニュアンスが違うのではないでしょうか。

これを〇〇グループに入れるのは、今はやめておきませんか。

 

グループ分けについて、最終的な確認をおこなうとき

でてきた意見のグループ分けが終わりました。

ホワイトボードをご覧いただき、

「これは、こっちのグループに入れた方がいいんじゃないか」と思うものがあれば、

遠慮なくおっしゃってください。

 

Step4:合意形成

合意形成とは

でてきた意見に対して、判断基準をもとに優先順位をつけ、最も良い意見を選択すること。

 

合計形成をする上で大切なことは、「判断基準」を設けることです。

判断基準は、複数あっても構いません。

合意形成をする上で、2~3個の判断基準を設けるといいでしょう。

 

(17)会議の目的に沿った「判断基準」を設ける

参加者に合意形成を促す際は、下記のような声掛けをするといいでしょう。

 

どの意見を採用するか決める上で、軸となる「判断基準」を決めませんか。

例えば、「コストがかからない」「すぐに実践できる」この2つの視点で、

どの案が1番有効か、考えるのはどうでしょうか。皆さんはどう思われますか。

今日の会議の目的は、〇〇〇でした。

会議の目的を考慮すると、どのような判断基準を設けるのが適切だと思いますか。

 

会議の目的にマッチした判断基準を設けることで、より最適な意思決定ができるようになります。

 

例えば、下記の「議論テーマ」「目的」で、会議が開催されたとします。

次の内、合意形成をおこなう際の「判断基準」として、適切なものはどれでしょうか。

(複数回答可)

 

【議論のテーマ】次回の社内旅行の行き先をどこにするか

【会議の目的】社内旅行を通じて、新入社員との親睦を深める企画を考える

 

【判断基準】

(1)   老若男女問わず、楽しむことができるか

(2)   皆で楽しめるようなレジャー施設、スポーツ施設などがあるか

(3)   旅先で、自然を感じながら、ゆっくりと過ごすことができるか

(4)   個人で自由に旅行を満喫できるフリータイムの時間が、確保されているか

 

 

 

 

会議の目的にマッチした判断基準は、(1)(2)です。

 

質の高い会議をおこなう為には、

会議の目的を、「Step1の定義」~「Step4の合意形成」まで、

一貫して見失わないようにすることが大切です。

 

(18)小さな合意を積み重ねることが大事

合意形成は、Step4だけではなく、

Step1~3のタイミングでも、常に意識しておこなうことが大切です。

 

合意形成と言っても、そんなに難しくありません。

 

他にありませんか

これでよろしいですか

次に進んでもいいですか

といった声かけを、「定義」「発散」「整理」「合意形成」の各項目が終わるごとに、

随時おこなうといいでしょう。

 

各ステップごとに、上記のような合意をとっておけば、

あとになってから、意見を述べる人

話を蒸し返す人

の発生を未然に防ぐことができます。

 

合意形成をこまめにとることで、メリハリと緊張感が生まれ、

スムーズに会議を進めることができます。

 

まとめ

以上、今日はファシリテーションを用いた「成果が上がる会議の進め方のコツ」を、

18個紹介しました。

 

Step1:定義

(1)  議論するテーマに対して、共通認識を持つ

(2)  議論する「目的」、「会議のタイムスケジュール」を共有する

 

Step2:発散

(3)  考える時間を設ける

(4)でた意見に対して、その都度「批判」や「評価」をしない

(5)「称賛ワード」を盛り込む

(6)メンバーの意見を正確に理解する~要約スキル~

(7)「よく分からない発言/論理的ではない発言」は、質問をして「確認」する

(8)議論のズレを正す

(9)文末の表現を揃えて、発言してもらう

(10)観察上手になる

(11)1番最初に発言をした相手の名前を挙げる

(12)意見を広げる質問をする

 

Step3:整理

(13)議論テーマに対する答えをグループ名につける

(14)【Step2発散の段階】で、「類似意見は近くに」、「違う意見は離して」書く

(15)意見をまとめる際は「ボトムアップ」「トップダウン」2つの手法を使い分ける

(16)グルーピングの際、モレやダブリがないように参加者に「質問」を投げかける

 

 

Step4:合意形成

(17)会議の目的に沿った「判断基準」を設ける

(18)小さな合意を積み重ねることが大事

 

これからの職場のリーダーは、自分の意見や考えを「押し付ける」のではなく、

情報やアイデアを「引き出す力」が求められます。

 

ファシリテーションのスキルを磨く=リーダーとしてのスキルを高めること

に繋がります。

 

また、今日紹介した会議の進め方のポイントは、

何もファシリテーターやリーダーだけが、使えるスキルではありません。

 

会議の一参加者であっても、ファシリテーターが困っていれば、

18のコツを参考に、ぜひアシストやフォローをしてあげて欲しいなと思います。

 

今日紹介した内容のうち、どれか1つでも実践していただけると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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