(本ページは、プロモーションが含まれています)
今月のブログは、読者の方からリクエストをいただき「アンガーマネジメント」について取り上げます。
(リクエストをしてくださったEさん、ありがとうございます。)
アンガーマネジメントとは、
怒りの感情と上手に付き合うための心理教育・心理トレーニングのことを言います。
今日は、怒りの感情の正体に迫ります。
●怒りの感情は、なぜ起こるのか
●怒りの根底にある「本当の感情」とは何か
といった「怒りの原因・性質」について紹介します。
1.期待や理想が裏切られたときに、怒りは生まれる
怒りの感情は、「こうあって欲しい」「こうあるべきだ」といった期待や理想が裏切られたときに起こります。
例えば、「新人は誰よりも早く出社するべきだ」という考えを持っているAさんがいたとします。
そんな中、新人がいつも始業時間ギリギリに出社すると、
Aさんは、
●あの新人は、だらしない
●仕事に身が入っていない
●社会人としての自覚が足りない
といった怒りの感情を抱きます。
つまり、怒りとは、その人が持つ「譲れない価値観=べき思考」が覆されたとき、ないがしろにされた時に起こります。
2.怒りに隠れた本当の気持ちを見落としてはいけない
「怒りは、二次感情である」と言われています。
怒ってカッとなると、怒りに隠れた本当の気持ちを見落としてしまう事があります。
例えば、仕事や家事・育児に追われ毎日を忙しく過ごしている
プレイング・マネジャーがいたとします。
そんな中、部下が些細なミスをしてしまいました。
そんなとき、“普段は温厚な”プレイング・マネジャーが、
「あなたは営業に向いていないんじゃないの!
あなた営業何年目?自覚が足りないんじゃないの」
と、部下に必要以上に怒りをぶつけてしまいました。
どうしてプレイング・マネジャーは、些細なミスにも関わらず、
部下に怒りをぶつけたのでしょうか。皆さんも一緒に考えてみましょう。
【A】部下のミスに腹が立ったから
【B】普段から積み重なった思い・うっぷんが一気に出てしまったから
答えは、【B】です。
下記のような思い・うっぷんが積み重なったことで、
プレイング・マネジャーに怒りの感情が沸き起こりました。
●何度注意をしても、ミスを繰り返す部下に困っている
●誰も私の大変さ・辛さを分かってくれない
●仕事と家庭の両立に疲れた
●誰も相談できる相手がいなくて悲しい
このようなプレイング・マネジャーが普段感じている
「困った」「辛い」「疲れた」「悲しい」といった気持ちのことを「一次感情」と言います。
つまり怒りとは、「一次感情が溢れ出す=我慢の限界になる」ことで生まれます。
怒りを感じたときには、
●何に対しての怒りなのか
●本来わかって欲しい「本当の気持ち」は何なのか
といった一次感情に目を向けることが大切です。
3.怒りにみられる6つの性質
怒りには、6つの性質があります。
怒りの性質を知っておくと、怒りに対してどう対処すればいいのかが分かります。
ぜひ参考にしてください。
怒りの性質① 怒りは、立場の弱い人に向けられる
怒りとは、立場の強い人が、立場の弱い人へ向けておこなう傾向があります。
「上司が、部下を怒る」のは、これに該当します。
皆さんは、上司に怒られたとき、そのうっぷんを自分の部下にあてていませんか。
怒りは連鎖します。
例えば、部長に怒られた課長が、そのうっぷんを主任や、その他の部下にあたる。
つまり、怒りは立場の高いところから、低いところへと連鎖して流れる傾向にあります。
自分がされて嫌だったことは、相手にしない。
例え理不尽な怒られ方をしても
「それを他の誰かに当たり散らさない」・「連鎖させない」ことが大切です。
怒りの性質② 怒りは伝染しやすい
上司が不機嫌だったり、隣の席の同僚がイライラしていると、
自分まで嫌な気持ちになった経験はありませんか。
怒りは強いエネルギーを持つ感情であるため、
「楽しい」「嬉しい」「悲しい」といった他の感情よりも、周囲の人に伝染しやすいと言われています。
イライラしている人の態度には、下記のような特徴があります。
●ため息をつく
●「チッ」と舌打ちをする
●PCを不機嫌そうにすごい勢いで叩く
●貧乏ゆすりをする
●愚痴や不満をぶつぶつ言う
●机の引き出しや扉を、すごい勢いで閉める
Etc‥‥
自分自身が、上記のような態度をとって、
周囲に不快感を与えないようにしましょう。
また、周囲にイライラしている人がいたら、
下記のような毅然とした態度をとって、相手に流されないようにしましょう。
①自分の目の前の仕事に集中する。
②イライラしている人がいるからこそ、
自分だけでも丁寧な言葉使い・対応を心がける。
③相手の怒りがおさまるまで、そっとしておく。
④「また始まった」と軽く受け流す。
怒りの性質③ 怒りの感情は、〇〇な対象ほど強くなる
突然ですが、皆さんに質問です。
下記の場合、どちらのケースの方が怒りの感情が強くなりますか。
【A】家族が、自分の頑張っている事に対して、
「考え方が甘い、そんなんじゃあ上手くいきっこないよ」と言ってきた。
【B】3年ぶりに会う先輩が、自分の頑張っていることに対して、
「考え方が甘い、そんなんじゃあ上手くいきっこないよ」と言ってきた。
答えは、【A】です。
身近な家族に自分の頑張りを認めてもらえないのは、辛いものがあります。
しかし、【B】のように3年ぶりに会った先輩にきつい一言を言われても、
「自分の近況や、これまでの紆余曲折を詳しく知らないのだから、
お互いに理解し合えない所があってもしょうがない」と割り切って考えることができます。
つまり、「怒りは、身近な対象ほど強くなる」といった傾向があります。
家族や友人など、身近な相手に対しては、
「自分のことを分かってくれているはずだ」といった期待を抱きがちです。
そのため、期待が大きい分、
裏切られたときには、怒りの感情も強くなります。
では、身近な相手に対して、怒りの感情を感じないようにするには、どうしたらいいのでしょうか。
方法は、3つあります。
①「身近な相手でも、自分とは違う価値観・べき思考を持っている」と心得る。
②「身近な相手だから、言わなくても分かってくれるだろう」といった甘い期待は捨てる。
③普段から、自分の価値観や考えを相手に伝える努力をする。
どんな相手にも、「自分の価値観や考えは、発信しない限り、相手には伝わらない」といった考え方を持つようにしましょう。
怒りの性質④ ストレスや疲労が、怒りに影響する
ストレスや疲労を感じている時の方が、イライラする傾向にあります。
なぜなら、ストレスや疲労が蓄積すると、心に余裕がなくなるからです。
そうならないためにも、
●ストレスをため込まず、こまめに発散させる
●普段から、バランスの良い食事、適度な運動、良質な睡眠を心がける
といったことが大切です。
怒りの性質⑤ 間接的に攻撃する怒りもある
怒りとは、相手に面と向かって伝えることだけではありません。
下記のような間接的な攻撃も、怒りの感情に含まれます。
●相手の立場が悪くなるような噂を流す
●「誰かが悪口を言っていた」と本人に伝える
●裏で足を引っ張る行為をする
●相手を無視したり、そっけなく扱う
もしこのような攻撃にあった際には、下記のような毅然とした態度をとりましょう。
①自分の仕事に集中する。
②直接言われたこと以外は、耳を貸さない・気にしない。
③いい仕事をすることで、周囲に味方をつける。
④身近に一人でも相談できる相手を持つ。
例え悪い噂や、裏で足を引っ張る人がいても、
あなたの頑張りや人柄を分かってくれる人は必ず現れます。
また、間接的な攻撃は、社会人として幼稚なやり方です。
大抵は、間接的な攻撃を「やっている人」の方を、
周囲は冷ややかな目でみているものです。
味方は必ずできます。
自分は自分らしく、いい仕事をしていきましょう。
怒りの感情⑥ 怒りの感情は、プラスの効果もある
皆さんは、相手から言われた悔しい一言が、
頑張るきっかけや原動力になったことはありませんか
怒りの感情は、ときに「やる気」や「情熱」に繋がります。
負けず嫌いな人、ハングリー精神のある人ほど、怒りの感情をプラスに変えやすいといった傾向があります。
4.人はどんな時に怒るのか?
では最後に、「人はどんな時に怒るのか」ということについて考えていきましょう。
皆さんも、「自分がどのタイプに当てはまるのか」を考えながら読み進めていっていただけると幸いです。
(1)期待を裏切られたとき
このタイプは、「こうあって欲しい」「こうあるべきだ」といった期待や理想が裏切られたときに怒ります。
お客様が商品や接客に対してクレームを言うのも、この心理が働いています。
(2)自信がないから、相手を攻撃する
自分に自信がない人ほど、怒りの感情を強くぶつけたり、相手を攻撃する傾向にあります。
そこには、「自分が上であることを相手に示したい」といった心理が働いています。
本当に実力のある人ほど、謙虚で朗らかなものです。
自分に自信がないからこそ、怒ることで虚勢をはる・自分を強く見せようとします。
(3)怒れば、なんとかなると考えている
「怒ればなんとかなる」・「怒れば、相手が自分の思い通りに行動する」と思って、怒りを表す人もいます。
そんな人の怒り方には、
●大きな声で威圧する
●職権や立場を利用する
●制度や決まりを振りかざす
といった特徴があります。
まとめ
以上、今日は
●怒りの感情は、なぜ起こるのか
●怒りの根底にある「本当の感情」とは何か
といった「怒りの原因・性質」について紹介しました。
1.期待や理想が裏切られたときに、怒りは生まれる
2.怒りに隠れた本当の気持ちを見落としてはいけない
「困った」「辛い」「疲れた」「悲しい」といった
一次感情が溢れ出す=我慢の限界になることで、怒りの感情は生まれる。
3.怒りにみられる6つの性質
①怒りは、立場の弱い人に向けられる
②怒りは伝染しやすい
③怒りの感情は、身近な対象ほど強くなる
④ストレスや疲労が、怒りに影響する
⑤間接的に攻撃する怒りもある
⑥怒りの感情は、プラスの効果もある
4.人はどんな時に怒るのか?
(1)期待を裏切られたとき
(2)自信がないから、相手を攻撃する
(3)怒れば、なんとかなると考えている
今日のブログを通じて、皆さんに「怒り」という感情について少しでも理解を深めていただけたなら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
■『アンガーマネジメント』の関連記事はこちら
■最近のよく読まれている記事はこちら
「緊急度と重要度」だけではない!生産性を上げる、仕事の優先順位の付け方3つ
どの時間帯に何の仕事をすべきか!仕事の生産性と質がアップする時間活用術3つ
突発業務を減らす3つの方法!キーワードは「先手必勝」と「7対3の法則」
■研修に関するお問い合わせ
●先取り型研修事務所へのご質問・お問い合わせは、こちら
●研修サービス
①1.5時間からの「短時間集中」集合研修
②集合研修受け放題プラン
③研修テキストの作成
④研修体系の構築支援
に関する詳細は、こちら
●研修テーマに関しては、こちら
■Facebookはこちら
「いいね!」をクリックして、
『職場ですぐに実践できるビジネステクニック』の最新情報を手に入れよう☆
先取り型研修事務所のFacebookはこちら