パワハラと言われない部下指導のポイント7つ

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今日は、「パワハラと言われない部下指導のポイント」を7つ紹介します。

 

パワハラと言われるのが怖くて、部下を注意できない・叱れない

「何をしたら、パワハラにあたるのか」

「パワハラと言われない為には、何を気をつけたらいいのか」分からない

そんなお悩みを持った方の一助になれば幸いです。

 

(1)部下を叱る目的=「部下の問題行動の改善」である

職場のパワハラ問題の難しい点は、

部下指導とパワハラの線引き」です。

 

パワハラを訴えられた上司は、

「部下指導の一貫だった」

「何で、パワハラで訴えられなきゃいけないんだ」と主張します。

 

しかし、パワハラの被害にあった部下は、

「上司から、悪質な嫌がらせにあった」

「人格を否定された」等と訴えます。

 

上司と部下では、捉え方にこれだけの違いがあるのです。

 

では、「パワハラと言われない部下指導」をする為には、

どうしたらいいのでしょうか。

 

まず、「部下指導とは何か」そこから見ていきましょう。

 

部下を叱る、注意をする目的「部下の問題行動の改善」です。

 

部下に問題行動が無いにも関わらず、指導をおこなう

一つのミスに対して、執拗に指導を繰り返す

指導の度に、過去のミスを蒸し返すことは、

「上司の個人的な憂さ晴らし」、「嫌がらせ」とみなされ、

パワハラと認定される可能性が高くなります。

 

部下に厳しく注意をしたり、叱る際には

部下のミスや問題行動が、厳しい指導をしなければならない“重大なもの”といえるのか

を冷静に見極める必要があります。

 

皆さんに質問です。

 

次の内、「過剰な部下指導をし、パワハラと判断されるリスクがある」のは、

どちらでしょうか。

 

【A】連日の長時間労働で疲弊し、電車内で体調を崩した部下が、数分遅刻をした。

その部下に対して、

「お前は、仕事を舐めてるのか!ほんと、使えねー奴だな!!」

「時間厳守は、社会人の基本だぞ」と言って、厳しく注意をした。

 

【B】    部下が昨夜飲みすぎて、大事なプレゼンの日に30分も遅刻をした。

その部下に対して、

「お前は、仕事を舐めてるのか!ほんと、使えねー奴だな!!」

「時間厳守は、社会人の基本だぞ」と言って、厳しく注意をした。

 

 

 

 

 

パワハラと判断される恐れのある「過剰な部下指導」をしているのは、【A】です。

 

【A】    の部下は、連日の長時間労働で疲弊し、

それが原因で体調を崩し、遅刻をしてしまいました。

 

これは、普段から、

部下の仕事量

体調面に気を配れていない

上司にも、問題があると言えます。

 

上司は自分を棚に上げ、

部下の軽微なミス・問題行動に対して過剰な叱責をしています。

 

これは行き過ぎた部下指導にあたり、

パワハラ」と判断されるリスクがあります。

 

 

【B】は、大事なプレゼンに30分遅刻をした部下に、

厳しく注意をすることは、部下指導において必要なため、

パワハラとは言い難いでしょう。

 

部下のミスや問題行動が重大なものである

厳しい指導が許容される

 

部下のミスや問題行動が軽微なものである

厳しい指導は、原則NG。パワハラと判断される要素になり得る。

 

この違いを大枠として、押さえておくと良いでしょう。

 

 

しかし、例外もあります。

 

【「部下の問題行動が軽微な場合」の例外

 

部下の問題行動が軽微なものであっても、

それが繰り返される場合は、厳しい指導が許容されるケースもあります。

 

厳しい指導が許容される一例

いつも部下が、数分遅刻をする。

何度注意をしても、改善されない。

厳しく叱る。

(これは、パワハラと判断されにくい)

 

(2)【指導をする時は、冷静に!】怒りの感情に注意を払う

怒りの感情があるときには、冷静さを失います。

 

部下の気持ちを察する余裕が無くなり、部下指導のつもりが、

暴言を吐く

部下の人格を否定する

といったパワハラに、発展する恐れがあります。

 

怒りの感情がある時には、部下指導をしない。

まずは、「心を落ち着かせる」、「冷静になる」ことが大切です。

 

怒りの感情を静めるには、

深呼吸をする

ゆっくり10まで数える

その場から一旦離れる

時間を空ける(例:その件については、30分後に話し合おう)

など様々な方法があります。

 

怒りの感情は、時間の経過と共に弱まります。

 

自分に合った「怒りの感情コントロール」をみつけ、

冷静な状態で、部下指導にあたりましょう。

 

それでも、部下のミスや問題行動に対して、

つい感情的になってしまう

怒りをあらわにしてしまうという方は、

「怒り」の感情の根底にある「一次感情」を部下に伝えると良いでしょう。

 

怒りは、二次感情です。

 

怒りの感情には、

「部下に任せた仕事が、上手くいくだろうか」という「不安

「部下が、何度言っても分かってくれない」という「悲しみ

「部下が、期待通りに行動してくれない」という「落胆

といった一次感情が根底にあります。

 

部下に対する「不安」「悲しみ」「落胆」といった一次感情が、

我慢の限界となり、「怒り」の感情が生まれます。

 

怒りの感情をぶつけるのではなく

怒りの原因になっている「一次感情」を部下に伝えた方が、

部下のどんな行動に、落胆したのか

部下に、どんな行動をとって欲しいのかが、明確です。

 

また、一次感情を伝えることで、暴言を吐くこと無く、冷静に部下指導ができます。

 

【クイズ】

次の内、「一次感情」を部下に伝えているのは、どちらでしょうか。

 

【A】あー、〇〇さんのせいで、このプロジェクトが台無しじゃないか‼

まったく、どうしてくれるんだ‼ 君は、この部署のお荷物だ‼

 

【B】君に期待をして、このプロジェクトを任せたんだ。

なのに、今の時点で〇〇の作業が終わっていないのは、

お客様からの信用を失いそうで、心配だ。

 

 

 

 

一次感情を伝えているのは、【B】です。

 

一方【A】は、怒りの感情を抑えることができずに

「君は、この部署のお荷物だ‼」と、

部下の人格を否定するような発言までしています。

 

部下がミスをすると、つい暴言を吐いてしまうという方は、

自分の怒りの感情に注意を払う

冷静な状態で、部下指導にあたることを

心がけましょう。

 

(3)【人格否定・精神論はNG!】どうして欲しいかを具体的に伝える

「教育」や「指導」といった目的であっても、

人格を否定するような発言は、パワハラにあたります。

 

なぜなら、

「お前はこの仕事に向いていない。とっと辞めろ!」

「なんでお前みたいな出来損ないに、給料を払わなきゃいけないんだ」

「お前は、何をやってもダメだな」

等の人格を否定する発言部下の問題行動・ミスの改善に繋がらないからです。

 

冒頭でも、お伝えした通り、

部下を叱る目的=「部下の問題行動の改善」です。

 

「部下の問題行動の改善」に繋がらない、人格否定をしてはいけません。

 

人格を否定するような発言は、部下の心を傷つけ、

「メンタル不調」や「体調不良」の原因となります。

 

では、どんな発言が、人格否定にあたるのかを見ていきましょう。

 

【4つの部下否定】

 

<1.存在の否定>

だからお前は、ダメなんだ

お前は、そんなこともできないのか

君には、がっかりだ

君のことは、信用できない

 

上記は、部下の存在を否定する言葉です。

部下=ダメというマイナスのレッテルを貼るのではなく、

「行動をどう正せばいいのか」を具体的に伝えることが大切です。

 

 

<2.能力の否定>

新入社員でもできる仕事なのに、こんな事もできないのか

お前は、いつになったら仕事を覚えるんだ

難しい仕事なんて頼んでないのに、いつになったら終わるんだ!

 

上記の発言は、遠回しに「部下の能力」を否定しています。

これでは、部下は自信を無くし、一向にできるようになりません。

 

できないのには、理由があります。

 

できるようになるためには、どんな説明をしたらいいのか

部下に、どんな経験を積ませたらいいのか

を考え、指導していく必要があります。

 

 

<3.可能性の否定>

この仕事に向いていないんじゃない

そんな考え方じゃあ、うちの会社ではやっていけないよ

うちの会社で通用すると思ってるの

 

上記の発言は、

「部下がいまの会社で、活躍する見込みがない」と言っているのと同じです。

 

「向いていない」「通用しない」といった漠然とした言い方ではなく、

組織として、部下に何を期待しているのか

いつまでに、何ができるようになって欲しいのか

を具体的に伝えていく必要があります。

 

 

<4.バックグラウンドの否定>

お前は、大学で何を勉強してきたんだ

どういう育ち方をしたら、そうなるんだ

親の顔を見てみたいもんだよ

だからゆとり世代は、だめなんだよ

 

学歴、家庭環境、社会的環境などの部下の生い立ちを否定することは、

部下のこれまでの人生

部下の家族

部下の恩師

を否定することになります。

 

部下を価値ある一人の人間として受け止め、

部下の「現在」「将来」に着目することが大切です。

 

いま紹介した4つの否定をおこなうと、

部下は上司に対して、不信感を抱くでしょう。

 

尊敬できない上司に叱られて、

部下は、行動を改めようと思うでしょうか。

 

答えは、残念ながらNoです。

 

部下指導の効果を高める

パワハラだと勘違いされない為にも

部下の人格を否定しないことが大切です。

 

また、

「気合が足りない!」

「努力しろ!」

「とにかく数字を出せ!」

といった精神論も、部下の問題行動の改善に繋がらないため、

パワハラと評価される要素となり得ます。

 

部下を叱る際には、精神論ではなく、

行動レベルに落とし込んで、改善点を伝える」ことが大切です。

 

精神論で、部下を叱りそうになったら、

どんな行動をとったら、気合があると言えるのか

何を、どんな風に取り組めば、努力していると言えるのか

数字を出すためには、何を、どう取り組むのか

を考え、自分の中でまずは言語化してみるといいでしょう。

 

 

部下の問題行動やミスを注意したり、叱る際には、

①部下の人格ではなく、とった行動に注目する

「どうして欲しいか」を行動レベルに落とし込んで、具体的に伝える

理由を添える

ことが大切です。

 

上記3つのポイントを伝えることによって、部下の問題行動の改善に繋ります。

 

では、上記3つのポイントを網羅した部下指導が出来ているのは、

次の内どちらでしょうか。

 

【A】君の営業スタイルは、なんか人間味がないんだよな。

「効率」重視というか、誠意を感じないんだよ!!

もっと、お客様との関係構築を大切にしないと!!

 

【B】メールだけでのやり取りではなく、月に1回は最低でも、

お客様の所に足を運んで欲しいんだ。メールは、便利で効率も良いけれど、

お客様と直接会話をすることで、お客様の困っている事やニーズを把握でき、

新たな提案や、お客様に合ったより良い提案ができる。

この事をぜひ肝に銘じてほしい。

 

 

 

 

3つのポイントを網羅した指導ができているのは、【B】です。

 

「月に1回、お客様の所に足を運んで欲しい」という理由として

「お客様の困っている事やニーズを把握でき、

新たな提案や、お客様に合ったより良い提案ができるから」と述べています。

 

理由を添えることで、

納得感が生まれ、部下の行動変容に繋がります。

 

 

一方【A】は、「人間味がない」「誠意を感じない」といった抽象的な発言をしており、

「具体的にどうして欲しいのか」が分かりません。

 

これでは、部下は「自分の行動を改めよう」とは思わないでしょう。

 

部下を指導する際には、人格否定・精神論はNG。

「どうして欲しいか」を具体的に伝えることが大切です。

 

(4)双方向のコミュニケーションを心がける

部下を叱る際、「上司」と「部下」どちらが多く、話をしていますか。

 

叱られている最中、部下が、

「申し訳ございませんでした」

「以後、気をつけます」

等の限られた言葉しか発しない。

 

上司が、延々と話をしている。

 

こんな状況に、陥っていないでしょうか。

 

一方通行の会話は、パワハラのリスクが高まります。

 

上司が一方的に話し続けると、

歯止めが利かなくなる

感情が抑えられなくなって、興奮してしまう為、

部下を傷つけるような「暴言」や、「人格を否定するような発言」まで言ってしまいます。

 

パワハラで訴えられない為にも、

「双方向のコミュニケーション」を意識して、部下指導にあたることが大切です。

 

また、双方向のコミュニケーションは、

部下の行動変容に繋がりやすい」といった効果もあります。

 

人は、自分で考え、決定し、行動したい

強制されたくない

という想いを持っています。

 

人は、頭ごなしに言われた事よりも、

「自分が納得できること」に対して、主体的に動こうとします。

 

では、双方向のコミュニケーションを行う上で、

どんなことを心掛けたらいいのでしょうか。

 

まずは、会話の「あいうえお」を実践しましょう。

 

《会話の「あいうえお」》

 

【あ】相槌

 

【い】言い換え

*部下が言わんとしていることを、上司が別の言葉で言い換えます。

*<一例>〇〇さんの言いたいことは、要は□□ってことだね!

 

【う】頷き

 

【え】偉そうにしない

 

【お】オウム返し

*部下が、言った言葉をそのまま繰り返します。

 

(一例)

部下:実は忙しくて…、間違いが無いか、確認せずに提出してしまいました。

上司:忙しくて、確認ができなかったのか。

 

*オウム返しをすると、部下は「自分の話を真剣に聴いて貰えている」と感じます。

 

 

まずは、会話の「あいうえお」を実践して、

部下が話しやすい雰囲気をつくることが大切です。

 

次に、

現状把握(今回、上手くいった事・いかなかった事は何?)

原因分析(上手くいかなかったのは、何が原因だと思う?)

未来に向けた行動変容(次回は、どんなことに注意をして取り組む?)

この3つの質問で、部下の学びを促すようにしましょう。

 

部下を叱る際に、

なんで、こんなミスをしたんだ‼」こんな発言をしていませんか。

 

「なんで」という言い方をすると、

部下は責められているように感じます。

 

「なんで」と言いたくなったら、

下記のように「どうして」を使うようにしましょう。

 

<一例>

「どうして今回のミスが起こったのか、その経緯を教えてくれる?」

 

叱る際は、上司が答えを教えるのではなく、質問を用いて、

部下自らが、気づく

部下自身の意思で、行動を改めるよう

促していくことが大切です。

 

(5)叱る場所、指導する時間の長さ・時間帯、公平性に注意を払う

人前では叱らない

個別に叱る

これは、部下を叱る際の基本マナーです。

 

なぜなら、人前で叱ると

職場全体の雰囲気が、委縮してしまう

叱られた部下のメンツを潰してしまう

恐れがあるからです。

 

他の社員がいる前での叱責や注意は、パワハラと認定される要素になり得ます。

 

また、部下指導は、「勤務時間中」におこなうのが原則です。

 

緊急性が無いにも関わらず、就業時間後に長時間の指導をおこなうと、

パワハラと評価される要素になり得ます。

 

部下指導の時間の長さ

部下指導の時間帯

にも気を配る事が大切です。

 

では次のうち、「パワハラと判断される恐れのある」部下指導をしているのは、

どれでしょうか。(複数回答可)

 

【A】部下を注意する際、他の社員がいない「別室」でおこなった

【B】部下を注意するメールを送る際、他の社員を宛先のCCに入れた

【C】帰宅した部下に、電話で40分間指導をおこなった

【D】懇親会の場で、部下の社会人としての自覚の無さを注意した

【E】同じミスをしたのに、部下のAさんには注意をして、Bさんには注意をしなかった

 

 

 

 

パワハラと判断される恐れのある部下指導をしているのは、

【B】【C】【D】【E】です。

 

では、一つひとつ解説していきましょう。

 

【B】

部下を注意するメールを送る際、他の社員を宛先のCCに入れることは、

衆目の中で、指導をしているのと同じです。

 

メールで指導を行う際は、本人のみに送るようにしましょう。

 

メールは、表情や口調が伝わらないぶん、

「冷たい印象」を相手に与える恐れがあります。

 

急ぎでない場合は、メールではなく、対面で指導をおこなうのが良いでしょう。

 

 

【C】

部下指導は、「勤務時間中」におこなうのが原則です。

 

緊急性が無いのであれば、

帰宅した部下に、電話で指導をするのはやめましょう。

 

また、時間も40分と長いので、

勤務時間中に部下指導をおこなう際は、

予め指導内容を整理する(何を、どう伝えるのか)

〇分間で終了する(指導時間の目安

を事前に決めておくと良いでしょう。

 

長時間の指導は、部下に「精神的な苦痛」を与える恐れがあるので、注意が必要です。

 

【D】

懇親会は、親睦を深めるのが目的です。

 

部下を注意するのでれば、職場にて、就業時間中におこないましょう。

 

酒席での部下指導は、お酒の力も借りて、

つい言い過ぎてしまうことがあるので、やめましょう。

 

 

【E】

他の部下には指導しないのに、特定の部下にだけ厳しい

これもパワハラと評価される要素となり得ます。

 

部下を指導する際には、「公平性」が大切です。

 

この公平性がないと、指導ではなく、「嫌がらせ」と受け取られる場合があります。

 

どんなミス・問題行動が起こったら、叱るのか

どんな風に注意をするのかを

事前に決めておくといいでしょう。

 

(6)叱った後は、フォローをする

上司も、一人の人間です。

ときに、指導の際に言い過ぎてしまうこともあるでしょう。

 

そんな時には、部下を叱った後に下記のような声掛けをし、

部下の心理的負荷を軽減するように努めましょう。

 

【フォローする際の声掛け(一例)】

「昨日は言い過ぎてしまって、申し訳なかった」

「君の〇〇な点に期待するあまり、つい熱くなってしまった…申し訳ない」

「昨日はついカッとなってしまって悪かったね。今日一緒にランチでもどうだ?」

etc…

 

「部下に、何でこんな気を遣わなきゃいけないんだ」

「そんな事をしたら、部下が調子に乗る」

そう思った方もいるでしょう。

 

叱られた部下は、

上司の厳しい言葉に、多少なりとも傷ついたり

仕事に身が入らなかったりするものです。

 

また、部下によっては、上司に対して、不信感を抱き、

意欲低下

仕事の生産性の低下を

引き起こす場合もあります。

 

部下が精神的に追い詰められることは、デメリットしかありません。

 

上司がパワハラで訴えられるリスクを回避するだけではなく、

会社の成長・発展の為にも、叱った後のフォローが大切です。

 

 

(7)日頃から、部下との信頼関係を築く

「上司のパワハラ」が問題になるケースでは、

コミュニケーション不足などにより、部下との信頼関係が築けていない

普段から、部下に信頼されていない

といった「根本的な原因」があります。

 

部下との信頼関係が築けていれば、例え厳しい指導をしたとしても

上司は、自分の成長の為に、敢えて厳しい事を言ってくれている

この上司が言うんだから、間違いない! と

部下は、“ポジティブ”に受け止めます。

 

しかし、部下との信頼関係が築けていなければ、

意思疎通が十分に図れずに

上司は、私にだけ厳しい

上司は、俺のことを目の敵にしている 等の“誤解”が生まれ、

パワハラと受け取られてしまう場合があります。

 

普段から以下の7つの点に心がけ、部下との信頼関係を築くことが大切です。

 

①部下の話をよく聴く

 

人は自分の話を親身に聴いてくれる相手に、

親しみや好感を抱きます。

 

部下と会話をする際は、「話したい」・「教えたい」という衝動をおさえて、

「聴く」ことに注力しましょう。

 

②部下とのコンタクト回数を増やす

 

関わる機会が多い相手に、人は親しみや好感を抱きます。

 

部下に、自分から挨拶をする

部下に労いの言葉をかける

部下の近況を気にかける

など、自発的に、部下と接する回数を増やしていくことが大切です。

 

③報・連・相をする機会を上司がつくる

 

部下と信頼関係を築くためには、

「コミュニケーションが取りやすい環境」を作ってあげることも大切です。

 

□□の工程が終わったら、報告に来て下さい

今日は14時~16時までデスクにいるので、報告や相談がある場合は、その時間帯に来て下さい

など、報・連・相のタイミングを具体的に伝えてあげるといいでしょう。

 

④部下の支援者になる

 

部下は、どんな仕事に興味・関心があるのか

部下は、将来なにを目指しているのかを理解し

「部下のキャリアビジョン」を実現するためのサポートをしてあげることが大切です。

 

 

⑤「褒め+質問」で部下を肯定する

 

部下と信頼関係を築くには、相手を褒めることも大切です。

 

褒めるのは、おべんちゃらを言っているようで苦手という方もいるでしょう。

 

そんな方にお薦めなのが、「褒め+質問」です。

 

「〇〇さんはいつも分かりやすい資料をつくるね。どんなことを心掛けて作っているの?」

と「褒め+質問」をセットでおこなえば、

部下との会話が続く

部下への関心をアピールできる

何をやったら上手くいくのか、部下が自分自身の行動を振り返るきっかけになる

といったプラスの効果もあります。

 

➅感謝を伝える

 

「〇〇してくれて、ありがとう。」

「〇〇してくれて、いつも助かっているよ。」

こんな言葉をかけられたら、部下は嬉しいものです。

 

部下の足りない点ではなく、部下が貢献してくれている点に注目すると、

良好な関係を築くことができます。

 

⑦部下が仕事を楽しめるようサポートする

 

皆さんの部下は、楽しんで仕事をしていますか。

 

部下が、仕事を楽しんでいないとしたら、

上司として、改善してあげる必要があります。

 

例えば、「仕事量が多い」「仕事が難しいと感じている部下」には、

仕事の割り振りを変えたり、

チーム制にして、助け合える環境を作ってあげるのもいいでしょう。

 

このように、部下が抱えている不満要員を取り除いてあげることも、

信頼関係を築く上で大切です。

 

まとめ

以上今日は、「パワハラと言われない部下指導のポイント」を7つ紹介しました。

 

(1)部下を叱る目的=「部下の問題行動の改善」である

(2)【指導をする時は、冷静に!】怒りの感情に注意を払う

(3)【人格否定・精神論はNG!】どうして欲しいかを具体的に伝える

(4)双方向のコミュニケーションを心がける

(5)叱る場所、指導する時間の長さ・時間帯、公平性に注意を払う

(6)叱った後は、フォローをする

(7)日頃から、部下との信頼関係を築く

 

職場のパワハラを無くすには、

「加害者(=パワハラ行為者)」を出さないことが、大切です。

 

パワハラ加害者の中には、

「相手を傷つけるつもりはなく、部下の成長を思って、無意識のうちに悪意なく」

パワハラをしてしまったという方もいます。

 

これらが起こるのは

パワハラについて、教わった機会がない

そもそも、どんな言動が、パワハラにあたるのかを知らない

ことが影響しています。

 

無自覚なパワハラを生まないためにも、

今日紹介した「部下指導のポイント」をどれか一つでも実践して頂けたら嬉しいです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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