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今日は、「パワハラと言われない部下指導のポイント」を7つ紹介します。
●パワハラと言われるのが怖くて、部下を注意できない・叱れない
●「何をしたら、パワハラにあたるのか」
「パワハラと言われない為には、何を気をつけたらいいのか」分からない
そんなお悩みを持った方の一助になれば幸いです。
(1)部下を叱る目的=「部下の問題行動の改善」である
職場のパワハラ問題の難しい点は、
「部下指導とパワハラの線引き」です。
パワハラを訴えられた上司は、
「部下指導の一貫だった」
「何で、パワハラで訴えられなきゃいけないんだ」と主張します。
しかし、パワハラの被害にあった部下は、
「上司から、悪質な嫌がらせにあった」
「人格を否定された」等と訴えます。
上司と部下では、捉え方にこれだけの違いがあるのです。
では、「パワハラと言われない部下指導」をする為には、
どうしたらいいのでしょうか。
まず、「部下指導とは何か」そこから見ていきましょう。
部下を叱る、注意をする目的=「部下の問題行動の改善」です。
●部下に問題行動が無いにも関わらず、指導をおこなう
●一つのミスに対して、執拗に指導を繰り返す
●指導の度に、過去のミスを蒸し返すことは、
「上司の個人的な憂さ晴らし」、「嫌がらせ」とみなされ、
パワハラと認定される可能性が高くなります。
部下に厳しく注意をしたり、叱る際には
「部下のミスや問題行動が、厳しい指導をしなければならない“重大なもの”といえるのか」
を冷静に見極める必要があります。
皆さんに質問です。
次の内、「過剰な部下指導をし、パワハラと判断されるリスクがある」のは、
どちらでしょうか。
【A】連日の長時間労働で疲弊し、電車内で体調を崩した部下が、数分遅刻をした。
その部下に対して、
「お前は、仕事を舐めてるのか!ほんと、使えねー奴だな!!」
「時間厳守は、社会人の基本だぞ」と言って、厳しく注意をした。
【B】 部下が昨夜飲みすぎて、大事なプレゼンの日に30分も遅刻をした。
その部下に対して、
「お前は、仕事を舐めてるのか!ほんと、使えねー奴だな!!」
「時間厳守は、社会人の基本だぞ」と言って、厳しく注意をした。
パワハラと判断される恐れのある「過剰な部下指導」をしているのは、【A】です。
【A】 の部下は、連日の長時間労働で疲弊し、
それが原因で体調を崩し、遅刻をしてしまいました。
これは、普段から、
●部下の仕事量
●体調面に気を配れていない
上司にも、問題があると言えます。
上司は自分を棚に上げ、
部下の軽微なミス・問題行動に対して、過剰な叱責をしています。
これは行き過ぎた部下指導にあたり、
「パワハラ」と判断されるリスクがあります。
【B】は、大事なプレゼンに30分遅刻をした部下に、
厳しく注意をすることは、部下指導において必要なため、
パワハラとは言い難いでしょう。
■部下のミスや問題行動が重大なものである
=厳しい指導が許容される
■部下のミスや問題行動が軽微なものである
=厳しい指導は、原則NG。パワハラと判断される要素になり得る。
この違いを大枠として、押さえておくと良いでしょう。
しかし、例外もあります。
【「部下の問題行動が軽微な場合」の例外】
部下の問題行動が軽微なものであっても、
それが繰り返される場合は、厳しい指導が許容されるケースもあります。
【厳しい指導が許容される一例】
いつも部下が、数分遅刻をする。
↓
何度注意をしても、改善されない。
↓
厳しく叱る。
(これは、パワハラと判断されにくい)
(2)【指導をする時は、冷静に!】怒りの感情に注意を払う
怒りの感情があるときには、冷静さを失います。
部下の気持ちを察する余裕が無くなり、部下指導のつもりが、
●暴言を吐く
●部下の人格を否定する
といったパワハラに、発展する恐れがあります。
怒りの感情がある時には、部下指導をしない。
まずは、「心を落ち着かせる」、「冷静になる」ことが大切です。
怒りの感情を静めるには、
●深呼吸をする
●ゆっくり10まで数える
●その場から一旦離れる
●時間を空ける(例:その件については、30分後に話し合おう)
など様々な方法があります。
怒りの感情は、時間の経過と共に弱まります。
自分に合った「怒りの感情コントロール」をみつけ、
冷静な状態で、部下指導にあたりましょう。
それでも、部下のミスや問題行動に対して、
●つい感情的になってしまう
●怒りをあらわにしてしまうという方は、
「怒り」の感情の根底にある「一次感情」を部下に伝えると良いでしょう。
怒りは、二次感情です。
怒りの感情には、
●「部下に任せた仕事が、上手くいくだろうか」という「不安」
●「部下が、何度言っても分かってくれない」という「悲しみ」
●「部下が、期待通りに行動してくれない」という「落胆」
といった一次感情が根底にあります。
部下に対する「不安」「悲しみ」「落胆」といった一次感情が、
我慢の限界となり、「怒り」の感情が生まれます。
怒りの感情をぶつけるのではなく
怒りの原因になっている「一次感情」を部下に伝えた方が、
●部下のどんな行動に、落胆したのか
●部下に、どんな行動をとって欲しいのかが、明確です。
また、一次感情を伝えることで、暴言を吐くこと無く、冷静に部下指導ができます。
【クイズ】
次の内、「一次感情」を部下に伝えているのは、どちらでしょうか。
【A】あー、〇〇さんのせいで、このプロジェクトが台無しじゃないか‼
まったく、どうしてくれるんだ‼ 君は、この部署のお荷物だ‼
【B】君に期待をして、このプロジェクトを任せたんだ。
なのに、今の時点で〇〇の作業が終わっていないのは、
お客様からの信用を失いそうで、心配だ。
一次感情を伝えているのは、【B】です。
一方【A】は、怒りの感情を抑えることができずに
「君は、この部署のお荷物だ‼」と、
部下の人格を否定するような発言までしています。
部下がミスをすると、つい暴言を吐いてしまうという方は、
●自分の怒りの感情に注意を払う
●冷静な状態で、部下指導にあたることを
心がけましょう。
(3)【人格否定・精神論はNG!】どうして欲しいかを具体的に伝える
「教育」や「指導」といった目的であっても、
人格を否定するような発言は、パワハラにあたります。
なぜなら、
●「お前はこの仕事に向いていない。とっと辞めろ!」
●「なんでお前みたいな出来損ないに、給料を払わなきゃいけないんだ」
●「お前は、何をやってもダメだな」
等の人格を否定する発言は、部下の問題行動・ミスの改善に繋がらないからです。
冒頭でも、お伝えした通り、
部下を叱る目的=「部下の問題行動の改善」です。
「部下の問題行動の改善」に繋がらない、人格否定をしてはいけません。
人格を否定するような発言は、部下の心を傷つけ、
「メンタル不調」や「体調不良」の原因となります。
では、どんな発言が、人格否定にあたるのかを見ていきましょう。
【4つの部下否定】
<1.存在の否定>
●だからお前は、ダメなんだ
●お前は、そんなこともできないのか
●君には、がっかりだ
●君のことは、信用できない
上記は、部下の存在を否定する言葉です。
「部下=ダメ」というマイナスのレッテルを貼るのではなく、
「行動をどう正せばいいのか」を具体的に伝えることが大切です。
<2.能力の否定>
●新入社員でもできる仕事なのに、こんな事もできないのか
●お前は、いつになったら仕事を覚えるんだ
●難しい仕事なんて頼んでないのに、いつになったら終わるんだ!
上記の発言は、遠回しに「部下の能力」を否定しています。
これでは、部下は自信を無くし、一向にできるようになりません。
できないのには、理由があります。
●できるようになるためには、どんな説明をしたらいいのか
●部下に、どんな経験を積ませたらいいのか
を考え、指導していく必要があります。
<3.可能性の否定>
●この仕事に向いていないんじゃない
●そんな考え方じゃあ、うちの会社ではやっていけないよ
●うちの会社で通用すると思ってるの
上記の発言は、
「部下がいまの会社で、活躍する見込みがない」と言っているのと同じです。
「向いていない」「通用しない」といった漠然とした言い方ではなく、
●組織として、部下に何を期待しているのか
●いつまでに、何ができるようになって欲しいのか
を具体的に伝えていく必要があります。
<4.バックグラウンドの否定>
●お前は、大学で何を勉強してきたんだ
●どういう育ち方をしたら、そうなるんだ
●親の顔を見てみたいもんだよ
●だからゆとり世代は、だめなんだよ
学歴、家庭環境、社会的環境などの部下の生い立ちを否定することは、
●部下のこれまでの人生
●部下の家族
●部下の恩師
を否定することになります。
部下を価値ある一人の人間として受け止め、
部下の「現在」「将来」に着目することが大切です。
いま紹介した4つの否定をおこなうと、
部下は上司に対して、不信感を抱くでしょう。
尊敬できない上司に叱られて、
部下は、行動を改めようと思うでしょうか。
答えは、残念ながらNoです。
●部下指導の効果を高める
●パワハラだと勘違いされない為にも
部下の人格を否定しないことが大切です。
また、
●「気合が足りない!」
●「努力しろ!」
●「とにかく数字を出せ!」
といった精神論も、部下の問題行動の改善に繋がらないため、
パワハラと評価される要素となり得ます。
部下を叱る際には、精神論ではなく、
「行動レベルに落とし込んで、改善点を伝える」ことが大切です。
精神論で、部下を叱りそうになったら、
●どんな行動をとったら、気合があると言えるのか
●何を、どんな風に取り組めば、努力していると言えるのか
●数字を出すためには、何を、どう取り組むのか
を考え、自分の中でまずは言語化してみるといいでしょう。
部下の問題行動やミスを注意したり、叱る際には、
①部下の人格ではなく、とった行動に注目する
②「どうして欲しいか」を行動レベルに落とし込んで、具体的に伝える
③理由を添える
ことが大切です。
上記3つのポイントを伝えることによって、部下の問題行動の改善に繋ります。
では、上記3つのポイントを網羅した部下指導が出来ているのは、
次の内どちらでしょうか。
【A】君の営業スタイルは、なんか人間味がないんだよな。
「効率」重視というか、誠意を感じないんだよ!!
もっと、お客様との関係構築を大切にしないと!!
【B】メールだけでのやり取りではなく、月に1回は最低でも、
お客様の所に足を運んで欲しいんだ。メールは、便利で効率も良いけれど、
お客様と直接会話をすることで、お客様の困っている事やニーズを把握でき、
新たな提案や、お客様に合ったより良い提案ができる。
この事をぜひ肝に銘じてほしい。
3つのポイントを網羅した指導ができているのは、【B】です。
「月に1回、お客様の所に足を運んで欲しい」という理由として
「お客様の困っている事やニーズを把握でき、
新たな提案や、お客様に合ったより良い提案ができるから」と述べています。
理由を添えることで、
納得感が生まれ、部下の行動変容に繋がります。
一方【A】は、「人間味がない」「誠意を感じない」といった抽象的な発言をしており、
「具体的にどうして欲しいのか」が分かりません。
これでは、部下は「自分の行動を改めよう」とは思わないでしょう。
部下を指導する際には、人格否定・精神論はNG。
「どうして欲しいか」を具体的に伝えることが大切です。
(4)双方向のコミュニケーションを心がける
部下を叱る際、「上司」と「部下」どちらが多く、話をしていますか。
叱られている最中、部下が、
●「申し訳ございませんでした」
●「以後、気をつけます」
等の限られた言葉しか発しない。
上司が、延々と話をしている。
こんな状況に、陥っていないでしょうか。
一方通行の会話は、パワハラのリスクが高まります。
上司が一方的に話し続けると、
●歯止めが利かなくなる
●感情が抑えられなくなって、興奮してしまう為、
部下を傷つけるような「暴言」や、「人格を否定するような発言」まで言ってしまいます。
パワハラで訴えられない為にも、
「双方向のコミュニケーション」を意識して、部下指導にあたることが大切です。
また、双方向のコミュニケーションは、
「部下の行動変容に繋がりやすい」といった効果もあります。
●人は、自分で考え、決定し、行動したい
●強制されたくない
という想いを持っています。
人は、頭ごなしに言われた事よりも、
「自分が納得できること」に対して、主体的に動こうとします。
では、双方向のコミュニケーションを行う上で、
どんなことを心掛けたらいいのでしょうか。
まずは、会話の「あいうえお」を実践しましょう。
《会話の「あいうえお」》
【あ】相槌
【い】言い換え
*部下が言わんとしていることを、上司が別の言葉で言い換えます。
*<一例>〇〇さんの言いたいことは、要は□□ってことだね!
【う】頷き
【え】偉そうにしない
【お】オウム返し
*部下が、言った言葉をそのまま繰り返します。
(一例)
部下:実は忙しくて…、間違いが無いか、確認せずに提出してしまいました。
上司:忙しくて、確認ができなかったのか。
*オウム返しをすると、部下は「自分の話を真剣に聴いて貰えている」と感じます。
まずは、会話の「あいうえお」を実践して、
部下が話しやすい雰囲気をつくることが大切です。
次に、
●現状把握(今回、上手くいった事・いかなかった事は何?)
●原因分析(上手くいかなかったのは、何が原因だと思う?)
●未来に向けた行動変容(次回は、どんなことに注意をして取り組む?)
この3つの質問で、部下の学びを促すようにしましょう。
部下を叱る際に、
「なんで、こんなミスをしたんだ‼」こんな発言をしていませんか。
「なんで」という言い方をすると、
部下は責められているように感じます。
「なんで」と言いたくなったら、
下記のように「どうして」を使うようにしましょう。
<一例>
「どうして今回のミスが起こったのか、その経緯を教えてくれる?」
叱る際は、上司が答えを教えるのではなく、質問を用いて、
●部下自らが、気づく
●部下自身の意思で、行動を改めるよう
促していくことが大切です。
(5)叱る場所、指導する時間の長さ・時間帯、公平性に注意を払う
●人前では叱らない
●個別に叱る
これは、部下を叱る際の基本マナーです。
なぜなら、人前で叱ると
●職場全体の雰囲気が、委縮してしまう
●叱られた部下のメンツを潰してしまう
恐れがあるからです。
他の社員がいる前での叱責や注意は、パワハラと認定される要素になり得ます。
また、部下指導は、「勤務時間中」におこなうのが原則です。
緊急性が無いにも関わらず、就業時間後に長時間の指導をおこなうと、
パワハラと評価される要素になり得ます。
●部下指導の時間の長さ
●部下指導の時間帯
にも気を配る事が大切です。
では次のうち、「パワハラと判断される恐れのある」部下指導をしているのは、
どれでしょうか。(複数回答可)
【A】部下を注意する際、他の社員がいない「別室」でおこなった
【B】部下を注意するメールを送る際、他の社員を宛先のCCに入れた
【C】帰宅した部下に、電話で40分間指導をおこなった
【D】懇親会の場で、部下の社会人としての自覚の無さを注意した
【E】同じミスをしたのに、部下のAさんには注意をして、Bさんには注意をしなかった
パワハラと判断される恐れのある部下指導をしているのは、
【B】【C】【D】【E】です。
では、一つひとつ解説していきましょう。
【B】
部下を注意するメールを送る際、他の社員を宛先のCCに入れることは、
衆目の中で、指導をしているのと同じです。
メールで指導を行う際は、本人のみに送るようにしましょう。
メールは、表情や口調が伝わらないぶん、
「冷たい印象」を相手に与える恐れがあります。
急ぎでない場合は、メールではなく、対面で指導をおこなうのが良いでしょう。
【C】
部下指導は、「勤務時間中」におこなうのが原則です。
緊急性が無いのであれば、
帰宅した部下に、電話で指導をするのはやめましょう。
また、時間も40分と長いので、
勤務時間中に部下指導をおこなう際は、
●予め指導内容を整理する(何を、どう伝えるのか)
●〇分間で終了する(指導時間の目安)
を事前に決めておくと良いでしょう。
長時間の指導は、部下に「精神的な苦痛」を与える恐れがあるので、注意が必要です。
【D】
懇親会は、親睦を深めるのが目的です。
部下を注意するのでれば、職場にて、就業時間中におこないましょう。
酒席での部下指導は、お酒の力も借りて、
つい言い過ぎてしまうことがあるので、やめましょう。
【E】
「他の部下には指導しないのに、特定の部下にだけ厳しい」
これもパワハラと評価される要素となり得ます。
部下を指導する際には、「公平性」が大切です。
この公平性がないと、指導ではなく、「嫌がらせ」と受け取られる場合があります。
●どんなミス・問題行動が起こったら、叱るのか
●どんな風に注意をするのかを
事前に決めておくといいでしょう。
(6)叱った後は、フォローをする
上司も、一人の人間です。
ときに、指導の際に言い過ぎてしまうこともあるでしょう。
そんな時には、部下を叱った後に下記のような声掛けをし、
部下の心理的負荷を軽減するように努めましょう。
【フォローする際の声掛け(一例)】
●「昨日は言い過ぎてしまって、申し訳なかった」
●「君の〇〇な点に期待するあまり、つい熱くなってしまった…申し訳ない」
●「昨日はついカッとなってしまって悪かったね。今日一緒にランチでもどうだ?」
etc…
「部下に、何でこんな気を遣わなきゃいけないんだ」
「そんな事をしたら、部下が調子に乗る」
そう思った方もいるでしょう。
叱られた部下は、
●上司の厳しい言葉に、多少なりとも傷ついたり
●仕事に身が入らなかったりするものです。
また、部下によっては、上司に対して、不信感を抱き、
●意欲低下
●仕事の生産性の低下を
引き起こす場合もあります。
部下が精神的に追い詰められることは、デメリットしかありません。
上司がパワハラで訴えられるリスクを回避するだけではなく、
会社の成長・発展の為にも、叱った後のフォローが大切です。
(7)日頃から、部下との信頼関係を築く
「上司のパワハラ」が問題になるケースでは、
●コミュニケーション不足などにより、部下との信頼関係が築けていない
●普段から、部下に信頼されていない
といった「根本的な原因」があります。
部下との信頼関係が築けていれば、例え厳しい指導をしたとしても
●上司は、自分の成長の為に、敢えて厳しい事を言ってくれている
●この上司が言うんだから、間違いない! と
部下は、“ポジティブ”に受け止めます。
しかし、部下との信頼関係が築けていなければ、
意思疎通が十分に図れずに
●上司は、私にだけ厳しい
●上司は、俺のことを目の敵にしている 等の“誤解”が生まれ、
パワハラと受け取られてしまう場合があります。
普段から以下の7つの点に心がけ、部下との信頼関係を築くことが大切です。
①部下の話をよく聴く
人は自分の話を親身に聴いてくれる相手に、
親しみや好感を抱きます。
部下と会話をする際は、「話したい」・「教えたい」という衝動をおさえて、
「聴く」ことに注力しましょう。
②部下とのコンタクト回数を増やす
関わる機会が多い相手に、人は親しみや好感を抱きます。
●部下に、自分から挨拶をする
●部下に労いの言葉をかける
●部下の近況を気にかける
など、自発的に、部下と接する回数を増やしていくことが大切です。
③報・連・相をする機会を上司がつくる
部下と信頼関係を築くためには、
「コミュニケーションが取りやすい環境」を作ってあげることも大切です。
●□□の工程が終わったら、報告に来て下さい
●今日は14時~16時までデスクにいるので、報告や相談がある場合は、その時間帯に来て下さい
など、報・連・相のタイミングを具体的に伝えてあげるといいでしょう。
④部下の支援者になる
●部下は、どんな仕事に興味・関心があるのか
●部下は、将来なにを目指しているのかを理解し
「部下のキャリアビジョン」を実現するためのサポートをしてあげることが大切です。
⑤「褒め+質問」で部下を肯定する
部下と信頼関係を築くには、相手を褒めることも大切です。
褒めるのは、おべんちゃらを言っているようで苦手という方もいるでしょう。
そんな方にお薦めなのが、「褒め+質問」です。
「〇〇さんはいつも分かりやすい資料をつくるね。どんなことを心掛けて作っているの?」
と「褒め+質問」をセットでおこなえば、
●部下との会話が続く
●部下への関心をアピールできる
●何をやったら上手くいくのか、部下が自分自身の行動を振り返るきっかけになる
といったプラスの効果もあります。
➅感謝を伝える
「〇〇してくれて、ありがとう。」
「〇〇してくれて、いつも助かっているよ。」
こんな言葉をかけられたら、部下は嬉しいものです。
部下の足りない点ではなく、部下が貢献してくれている点に注目すると、
良好な関係を築くことができます。
⑦部下が仕事を楽しめるようサポートする
皆さんの部下は、楽しんで仕事をしていますか。
部下が、仕事を楽しんでいないとしたら、
上司として、改善してあげる必要があります。
例えば、「仕事量が多い」「仕事が難しいと感じている部下」には、
仕事の割り振りを変えたり、
チーム制にして、助け合える環境を作ってあげるのもいいでしょう。
このように、部下が抱えている不満要員を取り除いてあげることも、
信頼関係を築く上で大切です。
まとめ
以上今日は、「パワハラと言われない部下指導のポイント」を7つ紹介しました。
(1)部下を叱る目的=「部下の問題行動の改善」である
(2)【指導をする時は、冷静に!】怒りの感情に注意を払う
(3)【人格否定・精神論はNG!】どうして欲しいかを具体的に伝える
(4)双方向のコミュニケーションを心がける
(5)叱る場所、指導する時間の長さ・時間帯、公平性に注意を払う
(6)叱った後は、フォローをする
(7)日頃から、部下との信頼関係を築く
職場のパワハラを無くすには、
「加害者(=パワハラ行為者)」を出さないことが、大切です。
パワハラ加害者の中には、
「相手を傷つけるつもりはなく、部下の成長を思って、無意識のうちに悪意なく」
パワハラをしてしまったという方もいます。
これらが起こるのは
●パワハラについて、教わった機会がない
●そもそも、どんな言動が、パワハラにあたるのかを知らない
ことが影響しています。
無自覚なパワハラを生まないためにも、
今日紹介した「部下指導のポイント」をどれか一つでも実践して頂けたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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