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今日は、「電話応対で避けたい言葉遣い9選」を紹介します。
●電話での正しい言葉遣いを身につけたい
●相手に好感を持たれる電話応対がしたい
と思っている方の一助になれば幸いです。
【電話応対クイズ】
皆さんに質問です。
下記のやりとりを読んで、間違いだと思うところを挙げてください。
(複数回答可)
一応、明日には商品のほうをお届けできる感じですが、よろしかったでしょうか。
お届け時間のご要望があれば、このお電話で承りますが‥‥。
間違い箇所は、いくつありましたか。
では、4つの視点から、間違い箇所を解説していきます。
(1)あいまいな表現
冒頭に、「一応」といったあいまいな表現をしています。
これでは、
●お客様を不安にさせたり
●業務にきちんと打ち込んでいない
という印象を与えてしまいます。
「一応」ではなく、
「明日には、“確かに”商品をお届けできます」とはっきりと言い切るようにしましょう。
電話でのあいまいな表現には、下記があります。
使わないようにしましょう。
【あいまいな表現】
・もしかしたら
・ひょっとしたら
・だいたい
・~かもしれません
・~と思います
・~のはずです
・おそらく
・多分
・一応
・朝いち
・今日中
・週末
【ワンポイント情報】
「数字」を使うとあいまいな表現を回避できます。
例えば、「田中は、おそらく夕方には、戻るかと思います」と
電話口で言われたら、皆さんだったらどう思いますか。
●夕方って一体何時?
●本当に田中さん戻ってくるの?
と疑問に感じたのではないでしょうか。
では、こう言われたらどうでしょう。
「田中は、16時頃に戻る予定です」
疑問点がなく、すんなりと情報を受け止めることができますよね。
あいまいな表現をしてしまうという人は、「数字」を入れることを意識しましょう。
(2)耳障りな言葉
間違い箇所の2つ目は、「耳障りな言葉」の使用です。
「商品のほうをお届けできる感じです」という表現には、
●~のほう
●~という感じ
といった本来いれる必要のない言葉が入っています。
これでは、聴き手に不快な印象を与えてしまいます。
不要な言葉を除いて、下記のようにすっきり言い切るようにしましょう。
「商品をお届けできます」
耳障りな言葉には、それ以外にも下記があります。
使わないようにしましょう。
【耳障りな言葉】
×レポートの形で提出いたします → 〇レポートで提出いたします
×~円からお預かりします → 〇~円お預かりします
(3)不適切な過去形の表現
間違い箇所の3つ目は、
「よろしかったでしょうか」と不適切な過去形の表現をしている点です。
「よろしかったでしょうか」とは、
事前に聞いたことを確認するときに使います。
今回の問題文では、
「明日には商品が届くが、それでもいいか」と初めて確認をしています。
よって、「よろしいでしょうか」と尋ねるのが正解です。
■初めて確認をするときには、「よろしいでしょうか」
■再度確認をするときには、「よろしかったでしょうか(過去形)」
この2つの違いを押さえておくようにしましょう。
(4)最後まで言い切らない
間違い箇所の4つ目は、「最後まで言い切らない」点です。
「ご要望があれば、このお電話で承りますが・・・」という表現は、
●丁寧さに欠ける
●はっきりしない印象
を相手に与えてしまいます。
「ご要望があれば、このお電話で承ります。いかがなさいますか。」と
最後まで言い切るようにしましょう。
以上、問題文を用いて、電話応対での不適切な表現を4つ紹介しました。
では、それ以外の「電話応対で避けるべき言葉遣い」を見ていきましょう。
(5)同じ相槌を繰り返す
同じ相槌を繰り返すと、
「ちゃんと聞いてくれているのか」と相手が不安になります。
身振り、手ぶりや表情を使って相手に伝えられないぶん、
電話では、より一層相槌のバリエーションを増やすようにしましょう。
【相槌の一例】
■受容(相手の話を聞くとき)
・はい
・ええ
・さようでございますか
■同意(相手の話に同意・共感するとき)
・ごもっともです
・おっしゃる通りです
・その通りです
・私もそう思います
■驚き(相手の話に驚くとき)
・それは驚きました
・それはすごいですね
・そんなことがあったのですか
■確認(相手の話を確認・要約するとき)
・それは~ということですね
・~ということでよろしいでしょうか
■展開(話を膨らませるとき)
・それからどうなったんですか
・他に何かございますか
■転換(話を変えるとき)
・ところで
■感謝(感謝の気持ちを伝えるとき)
・ありがとうございます
・恐れ入ります
■喜び(相手の嬉しさに共感するとき)
・それは何よりでございます
■同情(相手の悲しみに共感するとき)
・それは大変でいらっしゃいますね
【ワンポイント情報】
相槌には、会話の流れを調整するという側面もあります。
相槌のボキャブラリーを増やして、スムーズに会話を展開していけるようになりましょう。
(6)言い方がキツイ
「恐れ入りますが、夕方5時にもう一度お電話をください!」
と言われたら、皆さんだったらどう感じますか。
●上から目線で、少し感じが悪い
●愛想がない
●少し偉そう
等の印象を受けたのではないでしょうか。
では、なぜそう感じてしまうのか。
それは、「お電話をください」という命令形の表現になっているからです。
では、命令形ではなく「依頼形」の言い方をしたらどうでしょう。
「恐れ入りますが、夕方5時にもう一度お電話をいただけますでしょうか。」
丁寧な印象を受けますよね。
相手にキツイ印象を与えないためには、
「クッション言葉+依頼形」を使うことが大切です。
クッション言葉には、
●恐れ入りますが
●お手数ですが
●申し訳ございませんが
●差し支えなければ
などがあります。
依頼形とは、
「~していただけますでしょうか」と、相手に判断を委ねる言い方のことを指します。
【ワンポイント情報】
クッション言葉として、「すみません」を使うのは好ましくありません。
ビジネス上で謝罪をするときには、「すみません」ではなく、
「申し訳ございません」を使います。
クッション言葉でも同様です。
(7)代案を伝えない
皆さんに質問です。
次の内、印象がいいのはどちらですか。
<クイズ1>
【A】田中は、ただいま他の電話に出ております。
【B】田中は、ただいま他の電話に出ております。終わり次第、こちらからお電話を差し上げましょうか。
<クイズ2>
【A】申し訳ございませんが、3日のチケットは既に完売しております。
【B】申し訳ございませんが、3日のチケットは既に完売しております。7日の座席でしたら空いておりますが、いかがいたしますか。
答えは、クイズ1・2ともに、
【B】の方が、印象が良いです。
では、【A】とどこが違うのでしょうか。
それは、代案まで伝えているかどうかの差にあります。
相手の要望にお応えできないときには、
それに代わる提案をするようにしましょう。
そうすれば、お客様に丁寧な印象を与えることができます。
(8)聞き間違えやすい言葉
滑舌良く話していても、
●発音が似ている言葉
●同音異義語(発音が同じで、意味の異なる言葉)
などは、聞き間違えが起こりやすいものです。
聞き間違えを防ぐために、こんな工夫をしてみましょう。
【発音が似ている言葉】
■「1」と「7」
<対策>
・午後1時→13時
・7月(しちがつ)→なながつ
などに言い換える
■「4日」と「8日」
<対策>
間違いを防ぐために、曜日まで言う
■「日比谷」と「渋谷」
<対策>
ゆっくり、はっきり言う
【同音異義語の一例】
(発音が同じで、意味の異なる言葉)
■「保険」と「保健」
■「終了」と「修了」
■「市立」と「私立」
■「操業」と「創業」
<対策>
漢字まで伝える
<プラス情報>
「退社」という言葉には、
●会社から帰る
●会社を辞める
という両方の意味があります。
そのため、「〇〇は、退社いたしました」と帰宅した旨を伝えただけなのに、
「えっ、〇〇さんは会社を辞めちゃったの!!」と、
相手に誤解されてしまうケースがあります。
これを防ぐために、下記のような言い方をしましょう。
■会社から帰った旨を伝えるとき
「〇〇は、本日はすでに退社いたしました」
■会社を辞めた旨を伝えるとき
「〇〇は、~日をもちまして退社いたしました。」
(9)人によってイメージする時間が異なる言葉
皆さんに質問です。
こんな風に言われたら、皆さんだったら、何分後にまた連絡があると思いますか。
「只今お調べいたしますので、少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか。
分かり次第、こちらからかけ直します。」
人によって、
●3分後
●5分後
●10分後
など、様々な受け取り方をしたのではないでしょうか。
このように「少々」や「しばらく」といった言葉は、
人によってイメージする時間が異なるため、使うのはやめましょう。
場合によっては、
●待たされた
●まだ、連絡がこない
といったクレームに発展してしまう恐れがあります。
それを防ぐために、
●「10分程お時間をいただけますでしょうか」
●「10分後にまたかけ直します」
など、具体的に時間を伝えるようにしましょう。
まとめ
以上、今日は「電話応対で避けたい言葉遣い9選」を紹介しました。
電話応対は、適切な敬語や、その時々に応じた言い回しが求められます。
「電話応対が難しい」と感じている人も、ちょっとしたコツを身に付ければ、
相手に好印象を与えることができます。
ぜひ、今日紹介した内容のうち、どれか一つでも実践していただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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